その初回視聴率が7.5%を記録したことが分かった。同日同時間帯では民放トップの数字で、羽鳥アナ効果はてきめんだった。元々、テレビ朝日の朝は弱かった。前番組の「スーパーモーニング(以下、スパモニ)」の1日の最終回は4.3%の惨状。前4週の平均視聴率は「スパモニ」は6.4%で、他局ではフジテレビ「とくダネ!」が8.7%、日本テレビ「スッキリ!!」が7.7%で、いかにテレビ朝日が苦戦していたかは明白。
4日に関していえば、1日に13.6%の視聴率を弾き出していたNHK「あさイチ」が、8.0%に大きくダウン。これは、ふだんNHKを見ている相当数の視聴者が「バード」を見たと推測され、この新番組への注目度が高かったかが如実に分かる数字だ。テレビ朝日関係者は「これからが勝負」と殊勝なコメントを残したが、内心ではしてやったりだろう。
ところが、視聴率の点では上々のスタートを切った「バード」だが、視聴者の評判はかんばしくないというのだ。前番組の「スパモニ」は報道に力を入れた硬派の番組だった。だが、「バード」が他局に右に習えでバラエティー色を強めたため、「スパモニ」を見ていた視聴者からは総スカンを食っているという。前番組から引き続き担当している好感度が高い赤江珠緒アナも、バラエティー色の強い言動を求められ、視聴者のさらなる失望感も買ったようだ。
「スパモニ」を見続けていたという視聴者のAさんは、「他局と違って、報道に力を入れていたので見ていたけど、この新番組はひどい。他局と変わらないから、チャンネルを替えました。この時間、どのチャンネルにすればいいか分からなくなった」と落胆する。
テレビ局にとって、視聴率は絶対。視聴者の評価など、いちいち聞いていられないだろう。この時間帯の主たる視聴者は専業主婦。硬い番組より、柔らかい番組の方が受け入れられやすいのは自明の理。
テレビ朝日の朝の方針転換は、多くの固定視聴者の流出を招くことになりそうだ。
(蔵元英二)