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石原都知事が舛添厚労相と妊婦死亡問題で責任のなすり合い

 脳出血を起こした東京都内の主婦(36)が8病院に受け入れを拒否されて出産後に死亡した問題で、石原慎太郎都知事(76)は24日の定例会見で、「東京に任せてられない」と発言した舛添要一厚労相(59)に猛反論。「東京に任せてられないんじゃない。国に任せてられないんだよ!」とやり返した。1999年4月の都知事選で激突した両氏による責任のなすり合いの様相を呈している。

 「あの人(舛添氏)は大見え切ったつもりでいつも空振りする。現場を踏んで、起こった事実をちゃんと分析して、掌握した上でものを言ってもらいたい。一国の大臣なんだから。年金の問題でもいつも大見え切るけど、いつも空振りして、違うデータ出てきて、結局彼が国のけしからん役人を代弁しているみたいな印象にしかうつらないじゃない。今度も病院行ったあとで随分トーンダウンしたじゃないですか」
 事の発端は、舛添厚労相が同日午前の閣議後会見で、国に報告を上げなかった都の姿勢などを問題視して「東京に任せてられない」と“上から目線”で吐き捨てたことにある。その足で妊婦受け入れをいったんは断った都立墨東病院(墨田区)を視察すると、医師不足による構造的問題との見方を示し、全国の周産期医療センターをチェックする考えを述べた。
 石原知事は、国に報告しなかったことについて「あの人(舛添氏)が事態を掌握していない証拠に、これは医療事故じゃない。それ(医療事故)だったら報告する責任ありますけど、どう考えてもER(エマージェンシー・ルーム)として処置してますしね」と強調。同院は、石原知事が救急医療革命として7年前に立ち上げた「東京ER」第1号病院。ケチをつけられて黙っていられなかった。
 「東京に任せてられないんじゃない。国に任せてられないんだよ!厚労省の医療行政が間違ってきて、お医者さんのなり手がいなくなってきた。こういう事態つくったの国じゃないですか。国に任せてられないんだよ」と医師不足を招いた国の責任を問い返した。
 さらに、舛添氏に向けて「国に任せてたらこういうことになっちゃったんだよ。反省してもらいたいのは厚労省。大臣さまがモノを言うならもう少し冷静に頭を冷やして言ったほうがいい」と反論。今回の問題はレアケースだったとして「こういう万、万、万が一の事態ってのはなかなか想定しにくい。それでもお医者さんの数が多かったら、ここまで至らなかったかもしれない。その医者の数増やすのは国の責任だ」と追い詰めた。
 よほど我慢ならなかったのか、「舛添くん、しっかりしてもらいたいよ本当に。あんまり国に任せてらんないね」と繰り返した。
 舛添氏は99年都知事選で圧勝した石原氏の前に3位落選。昨年夏、社保庁や社会保険事務所職員による年金着服問題で市町村は信用ならないなどと発言し、関係のない市長の反発を「小人の戯れ言に付き合ってるヒマはない」と切り捨てた。小人扱いを「バカ市長と言うよりいい」などと述べ、その後、発言を撤回している。
 歯に衣着せぬ両氏だけに舌戦が続く心配もある。責任の所在ははっきりさせなければならないが、まずは再発防止策を講じることを優先すべきだろう。

○ホンダに乗り込む
 三宅島バイクフェスタで“ホンダ妨害疑惑”を訴えた石原知事は24日の会見で、あらためて同社に抗議する意向を示した。
 「この問題はやっぱりホンダのおごりだと思う。下っ端の重役とか部長に会ったってしょうがない。いまの社長がどんな人か知らんけど、私とにかく抗議に行きます」と同社に乗り込むという。
 17〜19日に開催された同フェスタで、ホンダが広告出稿をだしにバイク関連雑誌などに圧力をかけ、取材妨害したなどと主張。「命張っても戦う」と宣言した。同社は疑惑を否定している。

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