オカダは「ザック・セイバーJr.はレベルの違う関節技を使う選手だった」と相手をたたえた。3月のウィル・オスプレイ、今回のザックと対戦が続いたイギリス人選手の印象については「僕はメキシコに行って、アメリカに行って、新日本でもやってて、その3つの国のプロレスはわかるんですけど」と前置きし「ああいうイギリスだったり、ヨーロッパのプロレスのスタイルは全くわからないので、こんなプロレスがあるんだ!こんな返し方だったり、こんな関節技があるんだと。そういうのは闘って学べました」と未知の技に驚いた様子。しかしオカダは「もちろんビックリしますし、キツイですけど、いい経験だなって」と前向きに捉えた。「イギリスではオスプレイもザックも有名な選手。彼らと闘ってイギリス人にも『IWGP』や『オカダ』が届いたんじゃないかなと思います」などと、イギリス勢と続けて闘ったことの収穫を口にした。
続けてオカダは棚橋弘至を意識し「タイ(記録)は気持ち悪いので、さっさとV12へ行きます」と宣言した。
前日の試合後、次期挑戦者として「俺しかいねぇだろ!」とオカダの前に現れた棚橋。棚橋もオカダと同じく、11回連続防衛の最多記録を持つ。今回記録に並んだオカダに対して、挑戦表明したのだ。くしくも棚橋の防衛記録を止めたのは2012年、凱旋帰国直後のオカダだったという因縁もある。2016年1.4東京ドーム大会以来となる21世紀の“名勝負数え唄”は、5.4福岡国際センター大会で実現することが決定した。
先シリーズで、久々に棚橋とタッグマッチで絡んだオカダは「懐かしさはありました」とした上で、「でも『棚橋弘至は棚橋弘至だな』と思いましたね。昔と変わってない。むしろ実力もコンディションもレベルが落ちてる。今の棚橋はつまらない」とバッサリ。続けて「(新日本の)『エース』と言いたければ言っても構わないけど、試合を休む弱いエースはいない。恥ずかしくないんですかね」と棚橋をこき下ろした。
棚橋との試合については「引導を渡したい気持ちはないけど、今度の試合で本人ファンも『棚橋が出るところじゃないな』って感じる試合になりますよ」と展望を語った。
棚橋の挑戦を退けると、連続防衛回数の単独1位記録を樹立する。「絶対政権」ができると挑戦者選びも難航するだろう。しかしオカダは「きのうは棚橋しか出てこなかったし、みんな僕に敵わないって気づいてきたんじゃないですか」と前向き。「夏にはG1(クライマックス)もありますし、誰か出てくるでしょう」と、新たな敵が現れると予測した。ファンの間からはオカダが強すぎることへの「反感」も出始めているようだが、「1年10カ月チャンピオンでいることは厳しいけど、楽しみたい」と、最後まで余裕の表情を崩さなかった。
次期シリーズでは全大会でオカダと棚橋によるタッグマッチが組まれており、さながら「前哨戦」の様相を呈するだろう。昔とは完全に立場が入れ替わってしまった棚橋にとっては、5.4福岡大会までにオカダの余裕を少しでも消すことができるのかがポイントになりそうだ。
取材・文・写真 / どら増田