第九陣でミドル級チャンピオンシップの次期挑戦権を懸け、三崎と対戦する中村=写真左。だが、三崎の逮捕、起訴事実が明らかになったことで事態は急転した。
6月25日に公務執行妨害で有罪判決を受けた三崎に対し、戦極を主催するワールドビクトリーロードからファイトマネーの全額没収、8月3日以降の無期限出場停止の処分が言い渡されたのだ。
中村にとってみれば、試合前の大事な時期にこれほど迷惑な話もない。試合が無くなる可能性もあっただけに「選手は戦うだけなんで。(8月の)試合に向けて軸だけぶれないように。そう考えるしかモチベーションを保てなかった」と苦悩の日々を明かした。
影響を及ぼしたのはそれだけではない。三崎がこの試合を最後に無期限の出場停止となったことで、中村が勝たない限りミドル級の次期挑戦者が決定しない。
それだけに「言い方は悪いかもしれないですけど、負けた方が死ぬ戦いだと思っている」と悲壮な決意を示した。
同時に怒りの感情についても「それを考え出すと受け止められなくなるんで。勝ってからいいます」と試合の日まで封印することを決断した。
この日は、1Rの軽いスパーリングを披露し、順調な調整ぶりをアピールした。「(打撃を)一発も当てさせないで倒します。『やるだけ』のヤルは『殺る』なんで」と鋭い眼光からおどろおどろしい予告を放った中村。試合で内に秘めた闘志を一気に暴発させる。
◎小見川Vへ前進
この日は、フェザー級GPの決勝大会に出場する小見川道大も練習を公開した=同右。
同GP準決勝で優勝候補のマルロン・サンドロと対戦する小見川。このGPに向けて千葉県内で走りこみ合宿を張り、基礎体力の向上を図ってきた。
さらにはキックボクシングの菅原道場で“狂拳”竹内裕二とスパーリングを敢行し、右ストレートに磨きをかけた。
「もう頭の中でイメージはできてます」と対策も万全。自分がチャンピオンベルトを腰に巻く姿しか見えていないようで、2週間前に自身が初代王者になった絵を描いていたことを明かした。
果たしてこれは現実となるのだろうか。