A:あります。人間の体は、圧を加えると変形します。ご質問の方の場合、同僚の指摘は当たっていると思います。
たかが頬杖でと思うかもしれませんが、頬にはけっこう重みがかかります。毎日何時間もそれを続けると、頬は悲鳴を上げるでしょう。
具体的にはまず、歯に負荷がかかります。ご質問の方は歯のことには触れていませんが、きっと歯並びがおかしくなっているはずです。歯並びが乱れていると顎関節症を引き起こすことがありますが、顎関節症になっていないでしょうか。
また、歯並びが悪いことは、歯周病の発症や悪化の原因にもなります。ご質問の方は、歯周病になってはいませんか。頬の部分は、下顎骨で支えられていますが、ご質問の方はその骨も変形しているのではないでしょうか。
では、どうすればいいかというと、まず頬杖の癖を直す必要があります。そして歯科医院を受診して、歯列の不正や歯周病の有無についてチェックしてもらってください。異状があれば当然、それらの治療を受けなければなりません。
下顎骨について補足すると、下顎骨は頸椎とつながっています。ご質問の方のように、下顎骨に歪みがある場合は頸椎にも歪みがあります。
実は、下顎骨の歪みを直すためには頸椎が重要であり、頸椎の歪みを正すことが求められます。
そして、頸椎などの骨は全身の骨や骨格と関係があります。全身の骨や骨格の中で、中心となっているのが骨盤です。骨盤は体の土台であるため、歪むとその上に乗っている頸椎や胸椎、腰椎など背骨も歪みます。
ということは、頸椎の歪みを正すためには、骨盤の歪みを直すことが必要だと、おわかりでしょう。
ご質問の方の場合、歯科と並行して、骨格や骨盤を矯正する治療を受けるとよいでしょう。
私の医院では骨盤調整の治療院を併設しています。歯科と骨格の関係に詳しい医師を受診し、相談するようお薦めします。
山田晶氏(飯田橋内科歯科クリニック副院長)
骨盤療法(ペルピックセラピー)で著名。日本歯科大学卒業。歯科の領域から骨格に関心を持ち、骨盤のゆがみに着目。骨盤のゆがみを自分で取る方法として、腰回しの普及に努めている。