国立精神・神経センター精神保健研究所・自殺予防総合対策センターの松本俊彦氏によると、
・中学生: 男子8.3% 女子9.0%
・高校生: 男子7.5% 女子12.1%
・大学生: 男子3.5% 女子3.3%
という数値を表している。
また
・少年鑑別所入所者: 男子10.7% 女子60.9%
・少年刑務所: 男性14.7%
と、自傷行為をする若者たちと、非行との関係を挙げており、自傷する若者の特徴として「飲酒・喫煙・薬物の誘いを受けた経験者が多い」「自尊心が低い」「幼少期に多動(落ち着かない)の挿話がある」「ピアスをしている生徒が多い」「拒食や過食などの摂食障害傾向が認められる生徒が多い」と、非行や自尊心の低さ、精神的な不安定感と関連の可能性も示唆。
若者たちが自傷行為をする理由としては「イライラを抑えるため」「気持ちをすっきりさせたくて」「生きるために必要」「心の痛みを身体の痛みに置き換えている」「私の安定剤」という不快感情への対処が55%と最も多い。
自殺目的の自傷行為は18%と比較的少ないが、自殺企図の経験があるものが48%もいるのが特徴。自己アピールのために自傷行為をする人もいるが、多くの自傷者は、自傷行為について人に知られたいと思っておらず治療も相談もしない傾向にある。
もし、自傷行為を繰り返す若者を見かけた場合は、頭ごなしに否定したり叱責せず、共感・理解が必要とのこと。よく「いまどきの若いヤツは…」という大人がいるが、そういった若者を育ててきたのが大人世代であることを忘れてはいけない。
また、中高生の10人に1人が自傷行為をするような社会を作ってきたもの大人世代であることを忘れてはいけない。いま、手首を切っている若者たちも10年後20年後には親になっているのだ。
彼らが大人になり親になったとき、その子どもたちの自傷行為が、少なくなるような世の中を作るのは、現在の大人といわれる人たちの仕事でもあるだろう。
(※参考・引用『児童・生徒における自傷行為の理解と援助』松本俊彦 国立精神・神経センター精神保健研究所 自殺予防総合対策センター)
巨椋修(おぐらおさむ)(山口敏太郎事務所)