日本テレビ系「行列のできる法律相談所」を筆頭に複数のレギュラー番組を持つ“タレント弁護士”の出馬情報は、永田町のみならずテレビ関係者にも衝撃を与えた。
民放関係者によると、5日午前、大阪府知事選の候補者選定報道で「橋下弁護士が浮上」の一報が流れると、局内はてんやわんやの大騒ぎに。共同通信の取材に橋下氏の所属芸能事務所は「出馬は100%ない。本人にも確認した」と答えたという。
大阪市内の同氏事務所には報道陣が殺到し、追いかけるように本人も同事務所を通じてファクスで「今回の府知事選で選挙関係者からの出馬要請はなく、出馬する意思は全くない」とのコメントを発表。昼のニュース番組に電話出演した橋下氏は、府知事選出馬について「いまの状況を考えるとそれはとても無理。100%ないか?もうそれは無理です。大阪市長選と同じです」と重ねて否定した。
ここまで出馬を否定されれば、オファーを出したほうもめったなことは言えない。自民、公明両党推薦候補として擁立に向けて動いていた自民党府議団の朝倉秀実幹事長は、記者団に「人を通じて出馬しないと連絡があった」と明らかにした。
橋下氏は“行列仲間”だった自民党の丸山和也弁護士がさきの参院選で当選する前から政界進出に意欲を持っていたとされている。実際に11月に行われた大阪市長選では自民党から打診を受けたものの、「いまの生活や仕事を変えるわけにはいかない」と出馬を断念している。
背景としてささやかれているのは、丸山氏が4月の都知事選出馬を断念したのと同じ「収録済みの番組」問題。選挙に出るとなれば、関係者に多大な迷惑をかけることになるからだ。
もうひとつ、法曹関係者は「橋本氏は光市母子殺害事件の被告側弁護団について『日弁連(日本弁護士連合会)あてに懲戒請求を』と視聴者に呼びかけ、それが反発を招いていまもその問題は尾を引いている。それもあるんじゃないか」と指摘する。
さてさて、真相はいかに?