A店前。27歳と24歳の女性がやたらはしゃいで店から出てきた。都内の旅行関係企業に勤めるOL仲間という2人は「男よりも楽しめたと思う。1年以上前から『絶対行こうねっ』と話していたし、ぜひまた来たい。女の子がみんなかわいいのよ。客にはちょっと…という男が多かったけど、思ったよりフツーの男も来ているのが意外だった」と好奇心が満たされた様子。メイドさんに「お帰りなさいませ、お嬢さま」と出迎えられたのがツボにはまり、思い出し笑いが止まらないという。
「お嬢様なんてガラじゃないのに、照れくさいけど嬉しかった(笑)」
B店前。ごく普通の足取りで店を出た2人は、なんと現役のメイドさんコンビだった。ともに22歳でメイド喫茶通いを心底楽しんでいるという。
「初めて入った店でしたが十分楽しめました。アキバで行ったことのないメイド喫茶はこれで残り2店舗。いい店の条件?かわいい子が多くて接客がきちんとしていることですかね。チヤホヤされて自分をアイドルと勘違いするようじゃダメなんです。しっかりした店は客層もいいから落ち着けるんですよ」とメイド歴1年半のX子さん。気に入った店には何回も足を運ぶツワモノだ。
一方、メイド歴約2年のY子さんは「評判のいい店は、自分の店に来るお客さんから聞いてよく知っています。きょうはメイドさんとチェキを撮ったんですよ」とにっこり。チェキには「お嬢様ギザカワユス(超かわいい)」の文字。撮りためたものをファイリングしているという。
約3時間の2店舗並行張り込みで女性だけのお客さんは計4組。いずれも2人組だったが、2組は「ノーコメント」だった。前出のX子さんは、最近のメイド喫茶を取り巻く状況を「業界が盛り上がったことで切磋琢磨され、だめな店は減りましたよ」と指摘する。
結論。店側にサービス技術の向上が求められるように、客側にもメイド喫茶のコンセプトを理解し、溶け込もうとする姿勢が求められる。双方歩み寄れれば性別を問わず楽しめるようだ。