シーズン終了後の10月に中日を退団となった直後から、西武が獲得に向けて調査に乗り出していることが複数メディアに報じられていた松坂。その約2カ月後の12月3日に、年俸3000万円の1年契約で14年ぶりに古巣に復帰することが決まっている。
高木氏のチャンネル視聴者から「来季、松坂大輔投手の勝ち星はどれくらいいけそうですか?」という質問を受けた辻監督は、「何勝っていうことは(考えていない)。1勝でも多く勝ってくれればいいとは思うけど」と松坂に具体的なノルマは設定していないと明かした。
続けて辻監督は「来年開幕を迎えて、その時期に自分が持っているものを全て出してくれればそれでいい」、「(勝ち星などの)数字以上にチームに貢献してくれると思う」とコメント。松坂がこれまでに培ってきた経験や考え方を元に練習、試合に取り組めば、単なる成績以上のメリットがチームにもたらされると見込んだ。
また、辻監督は現役末期のヤクルト時代(1996-1999)、当時監督を務めていた野村克也氏から「野球を好きで長くやってきたやつに、俺から(ユニフォームを)脱げなんて言えない」と言われた影響もあり、松坂に対しても「(これまで第一線で)活躍してきた選手に対して、『もういいよ…』とは(自分からは)絶対に言えない」と引き際の判断を委ねる意向だと示唆。
その上で、「西武に一番最初に入団して、最後に帰ってきて。本当に頑張ると思う」、「(シーズンの結果が)1勝でも2勝でもいい。(なんなら)もう0勝だって」と、古巣に帰ってきた松坂が全力を尽くしてくれると期待した。
この他にも辻監督は、現役時代に師事した広岡達朗氏、森祇晶氏といった過去の西武監督たちとのエピソードや、自身がグラウンド上で笑顔を絶やさない理由についても動画内で言及していた。
今回の動画を受けたネット上のファンからは、「辻監督の人柄がにじみ出てるいい動画」、「野村監督の言葉を受け継いで自分も実践してるのは興味深い」、「松坂にもこの動画を見てほしい、そして辻監督に報いるために頑張ってほしい」といった反応が多数。
ただ、中には「期待して無いとは言えないから、適当な言葉でお茶を濁してる印象を受けた」、「0勝でもいいっていうのは案外本音かも知れん、松坂獲得はチケット・グッズの増収を見込んでのことだろうし」とコメントするファンも見受けられた。
2月の春季キャンプ中にファンと接触したことで右肩を痛め、その影響で今シーズンは「2登板・0勝1敗・防御率16.88」と振るわなかった松坂。「戦力としては期待できない」、「客寄せパンダでしかない」という声も根強いが、紆余曲折を経て戻ってきた西武で最後の一花を咲かせることはできるのだろうか。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
高木豊氏の公式ユーチューブチャンネルより
https://www.youtube.com/channel/UCgr5CkgytiVfdnk4C0M42nQ