北海道議会の「自民党・道民会議」に所属する小畑保則議員(65)が、道議会の海外調査団の一員として欧州へ向かう航空機内で、乗客や客室乗務員(CA)とトラブルになり、暴言を吐いた。
小畑氏によると、7月13日、欧州連合(EU)の農業・環境政策を視察する海外調査団(8人)の一員として欧州に向かうため、成田発フランクフルト行きの日本航空機に搭乗した。
その機内で、後ろに座っていた日本人の男性乗客がコンセントを差し込みたいとして、CAを通じて、リクライニングシートをいったん戻すよう依頼された。これにブチ切れた小畑氏は、男性乗客と口論になり、胸ぐらをつかんで拳を振り上げた。さらに、前に座った乗客が背もたれを倒したことを巡って、トラブルになった。仲裁に入ったCAに、「サービスが悪い」「倒産した会社が何を言っているんだ」などと暴言を吐いた。
当時、小畑氏は機内でウイスキー3杯と焼酎1杯を飲んでいた。到着地で日航から、「迷惑行為を慎むように」と警告書を受け取っていた。
道議会事務局によると、調査団はドイツやフランスで、ワイナリーや酪農家を訪ね、19日に帰国した。
「会派の筆頭副会長としての責任の重さを感じた」として、小畑氏は22日、加藤礼一議長に辞職願を提出し受理された。
同日、会見した小畑氏は「道民の皆さんや議員仲間に迷惑をかけて申し訳ない。失態を心から深くお詫びする」と陳謝。「酒に酔ってはいなかったと思う。感情を抑えられなかった」とコメントした。
小畑氏は釧路市議を経て、03年の道議選で初当選し、現在3期目だった。既に来春の道議選において、自民党道連から公認を受けているが、立候補については明言を避けた。
(蔵元英二)