安室は1977年に沖縄県那覇市生まれ。中学卒業までを沖縄で過ごしている。それまでは苦労人として知られた。
「彼女は三人兄弟の末っ子として生まれます。家は決して裕福ではなかったようですね。小学5年の時に、友人の付き添いで訪れた『沖縄アクターズスクール』で、校長のマキノ正幸からスカウトされます。月謝が払えなかったため特待生扱いで入学。交通費は工面できないため、レッスンには片道1時間半の距離を徒歩で通っていたそうです」(芸能ライター)
1991年にはSUPER MONKEY'Sを結成し、翌年には全国区での活動をはじめる。そこから抜擢される形で安室奈美恵としてソロデビュー。小室哲哉プロデュースによりスターダムへ駆け上がって行く。そんな安室の沖縄への恩返しといえる曲が、2000年に発売された『NEVER END』である。
「この曲は伝統的な沖縄民謡のリズムを取り入れており、同年に行われた九州・沖縄サミットのイメージソングとして使われました。当時の小渕恵三首相から小室へ直接オファーがあり、歌手は安室でと指名もされていたそうです。その後、小渕首相が急逝したため、当初の明るかった曲のイメージから現在の曲調に作り直された経緯があります。悲劇を乗り越えて前へ進む力強いメッセージにあふれた歌ですね。この前年には安室の実母が親族に殺害されており、その事件の影も感じさせます」(前出・同)
今のところ引退後の沖縄移住はなさそうだが、彼女にとっての故郷であることには変わりないだろう。