芸能人を養成する「沖縄アクターズスクール」の特待生だった安室は、同じスクールだったMAXの源流グループとユニットを組んでいた。そして5人組グループ・SUPER MONKEY'Sとして1992年にメジャーデビュー。その後、1994年からは安室がメインとなり“安室奈美恵 with SUPER MONKEY’S”の名義で定着した。MAXのメンバーはこれをCDリリースの後に知ったと、2016年放送の「しくじり先生 俺みたいになるな‼」(テレビ朝日系)で語っていた。
同番組に出演したMAXのNANA、LINA、MINAは、安室との確執を告白。番組の収録中にメンバーは安室とのいざこざを赤裸々に語ったようだが、放送できないほどだったという制作会社関係者の話もある。
当時、メンバー自身も安室の圧倒的な才能を見抜いてはいたものの、自分たちは安室のバックダンサー扱いとなり、嫉妬とわだかまりが芽生えていったとのこと。さらに、1995年からソロ活動を始めた安室はスターダムを一気に駆け上がり、確執に拍車をかけた。
やがて安室は、社会現象を巻き起こすほどのスーパースターになった。安室がグループから離れた後、残されたメンバーは、ダンスボーカルユニット“MAX”としてデビューするが、当初の人気はイマイチ。辛酸をなめたが、3枚目のシングルでようやくヒットを飛ばした。これから頑張ろうと結束を強めた矢先に、メンバー・MINAの妊娠が2002年に発表される。
女の友情よりも自分の幸せを優先したMINAに対し、「裏切られた」と感じたメンバーの怒りは頂点に達した。01年のクリスマスイブにスタッフからMINAの妊娠が報告され、その時から08年までの約6年間、MINAと残りのメンバーNANA、REINA、LINAは絶縁状態であったと同番組で告白した。02年にはAKIが加入し「新生MAX」としてスタートを切ったが、今度は「グループ内いじめ問題」が取り沙汰される事態に。そして08年、シンガーソングライターを目指すという理由でAKIはグループを脱退。同時にメンバーと和解したMINAがAKIと入れ替わる形で復帰し、MAXは再始動した。
波乱万丈の歴史を乗り越え、現役の日本の女性音楽グループとしては最も長い歴史を持つMAX。安室の引退については、「奈美恵らしい」と各メンバーがSNSを通じてエールを送った。最後の共演は、15年以上前の歌番組だと言われている。
少女時代からともに夢を追いかけた“伝説のグループ”の元メンバー、安室奈美恵とMAX。グループ内のわだかまりも解けたように、安室との確執も払拭し、引退前に共演することを期待したい。