AWACSとは、空中目標をレーダーにより探知・分析し、航空管制や指揮を執る軍用航空機。戦闘時には“空の司令塔”となる。近代化を目指す各国空軍にとって、どんな高性能戦闘機よりも重要な機体なのだ。しかし、ハイテク電子装置を満載しているため軍用機の中でも最も高価で、配備できる国は限られているのが実情だ。
一部情報では、「KJ2000」は半径400キロ以内の60から100の目標を探知するという。2008年5月に発生した四川大地震では災害地域上空に派遣され、救助用航空機の管制と無線中継局としての役割を果たした。また同年8月の北京五輪ではテロ防止のため、上空で情報集約と指揮コントロールを行っている。すでに“実戦”で使用されているのだ。
もちろん日本の航空自衛隊にもAWACSが配備されている。ボーイング製の「E767」だ。探知範囲は3機で日本列島の全域がカバーできる性能。決して引けを取るものではない。
しかし、事情通は「今まで日本は数では劣るが、AWACSとの連携という“質”で中国よりも高い軍事力を持っているといわれてきました。しかし、中国もAWACSを運用すると差はなくなりつつあると考えられますね」と分析する。
AWACSの性能が向上すれば、いち早く敵機を発見し攻撃することが可能になり、軍事上優位に立つことができる。戦闘機以上に、AWACSの性能向上を考える時代に突入した。