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2016年ドラフト情報「即戦力か、将来性?」 スカウトの眼力が試される難解の年(横浜DeNA編)

 高田繁ゼネラルマネージャーの手腕が問われる。直近の3年間は大学生、社会人を多く指名してきた。2年目の山崎康晃、石田健大が活躍し、昨秋のドラフト1位・今永昇太もクライマックスシリーズ進出の大きな戦力となった。旧ベイターズ時代から将来の大砲と期待されていた筒香嘉智も日本を代表するスラッガーに成長した。投打ともに「あと一枚」加われば、優勝できる。その戦力アップの「あと一枚」をドラフトに求めるのか、それとも、FAか、外国人選手で補強するのか…。ドラフトに求めるのならば即戦力投手であり、FA、渉外に見通しが立っているのなら、「将来のエース候補」を狙う1位入札となる。
 田中正義(22=創価大/右投右打)が欲しいはず。しかし、プロのスカウトにはこんな『視点』もある。「エースの立ち振る舞いは天性のもの。教えられて覚えるものではない」−−。このオーラをもっとも強く放っているのが、横浜高・藤平尚真(18=右投右打)だという。ハマの番長・三浦大輔が引退した直後なだけに、1位指名は投手でなければならない。入札覚悟で「10年に一人の逸材」とされる田中の入札に参加するのも間違ってはいないが、向こう10年のチームビジョンとして、藤平、履正社・寺島成輝(18=左投左打)、花咲徳栄・高橋昂也(18=左投左打)、作新学院高・今井達也(18=右投右打)にいくのではないだろうか。

 10月16日時点だが、田中の入札に関するこんな情報も聞かれた。
 「具体的には言えないが、田中入札は最大7球団だと思う。うち2球団は揺れているので、5球団になるかもしれない」(球界関係者)
 田中回避は最大7球団、最小で5球団。5球団になっても、その5球団のうち、「寺島成輝で重複するところが出る」とのことだ。佐々木千隼(22=桜美林大/右投右打)、山岡泰輔(21=東京ガス/右投左打)、明大・柳裕也(22=右投右打)は単独指名の可能性があるという。この情報がドラフト当日まで変わらないことと、田中回避の球団内に「藤平単独指名を狙ったところがないこと」が大前提となるが、1回目の抽選終了時点で、1位指名選手が決まるのは5球団で、7球団が再入札となる。高橋、今井も『外れ1位』で残っている可能性が高いが、DeNAが藤平指名に切り換えれば、“一本釣り”となる可能性は高い。また、いったん田中の入札で冒険するという選択肢も出てきた。もちろん、藤平、高橋、今井は再抽選になる“危険性”が高い。高田萌生(18=創志学園高/右投右打)、島孝明(18=東海大市原望洋高/右投右打)、高山優希(18=大阪桐蔭高/左投左打)も将来性十分だが、再抽選で指名した投手にエースナンバー18を継承させるのは厳しい。三浦の後継者を獲るためのドラフトとして臨むのかどうか、まさに、最終決断を下す高田GM次第である。

 近年、DeNAは下位指名してきた高校生も成長し、一軍戦力となりつつある。野手育成に自信を持っているだけに、走攻守全てで光るものを持つ内野手の松尾大河(18=秀岳館高/右投右打)、外野手で俊足かつ、バットスイングの速い田城飛翔(17=八戸学院光星高/右投左打)、大砲タイプとしての潜在能力も高い内野手・石垣雅海(18=酒田南高/右投右打)を指名し、数年先に備えるかもしれない。投手だが、高校生離れした重量感のあるストレートを投げ込む梅野雄吾(17=九州産業大付高/右投右打)にも熱視線を送っていた。大学生左腕の床田寛樹(21=中部学院大/左投左打)はストレートが速い。体はまだ細いからだろう。「もっと速くなる」という言い方をするスカウトも多く、投球フォームのしなやかさも評価されていた。
 ピンポイントで社会人東芝の好右腕・谷岡竜平(20=右投右打)、大阪ガス・酒居知史(23=右投右打)を補強するとの情報も聞かれた。現有クローザーの山崎とはタイプの異なる池田駿(24=ヤマハ/左投左打)に対しても同様で、この池田を獲れば、ラミレス監督の継投策にも幅ができてくる。クライマックスシリーズ進出を果たし、チーム内外に優勝を意識する気運みたいものが高まっている。1位選択は『ポスト三浦』を決める重要なものとなるが、投打ともに即戦力にこだわる必要がなくなったため、未来に投資できる指名もできそうだ。

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