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えっ!? 喜多方ラーメンは広く認識されていない?

 先日、福島県会津地方の「喜多方ラーメン」をめぐって興味深い判決がありました。同県喜多方市のラーメン店などが組織する協同組合「蔵のまち喜多方老麺会(以下、老麺会)」が、「喜多方ラーメン」の名称を地域団体商標として認めなかった特許庁審決の取り消しを求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は、組合側の上告を受理しない決定をしました(1月31日付)。特許庁審決を妥当とし、登録を認めなかった知的財産高等裁判所(以下、知財高裁)の判決が確定した。

 「喜多方ラーメン」といえば、「札幌ラーメン」や「博多ラーメン」と並び、日本3大ラーメンとも呼ばれるほど知名度が高い。関東地区でも、その名を冠したラーメン店は多く、醤油ベースのスープは関東の人の舌に合うとあって人気がある。

 地域団体商標は地域ブランドを育成するため、06年に創設された制度で、温泉、特産物、牛肉などが登録されている。訴訟は制度導入後、登録を認めなかった審決の是非が争われた初のケースだった。知財高裁は10年11月、「『喜多方ラーメン』の名称が、原告の組合とその加盟店だけの商品、サービスとして広く認識されているとはいえない」として特許庁審決は妥当と判断、組合側の請求を棄却していた。

 その理由として、第1審の知財高裁は、「老麺会」への喜多方市内のラーメン店の加入率が低いこと、喜多方市外でも普及している名称であることから、「喜多方ラーメン」が「老麺会」とその加盟店だけの商品・サービスとして広く認識されているとはいえず、特許庁審決を妥当であると判断したものだった。

 確かに「老麺会」が「喜多方ラーメン」の呼称を地域団体商標として取得した場合、「老麺会」に加入していない多くのラーメン店や、喜多方市外で営業している店舗が、その名を使えなくなってしまう恐れもあり、今回の判決は妥当といえるのかもしれない。
(蔵元英二)

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