ここ数年、フィギュア業界では新規メーカーの登場が相次ぎ、業界関係者でも把握できないほどになっている。会場を訪れたとあるショップの関係者は、「元々別のフィギュアメーカーの人で、独立して新規メーカーを立ち上げるというのが多い。イベントがあると、見慣れないカタカナ名のメーカーを毎回見るほど」と語る。
日々増え続けるフィギュアメーカーの中で、自社ならではの特色を出そうと、各フィギュアメーカーの、アピールも活発だ。その中でも注目されている動きが、増税などにより材料費も上がっている関係もあり、フィギュア的なコレクター心理を刺激しつつ、低価格帯の商品を販売しようというものだ。「アクリルフィギュア」と呼ばれるものがそれで、アクリル板にキャラクターの絵をプリントした、フィギュアのように立った状態で飾れる商品となっている。
アクリルフィギュアで、『アイドルマスター ミリオンライブ!』のキャラ展開をしている、あみあみの担当者は、「予想を上回る好評で、再生産しました。複数をコレクションしやすい点が評判のようです」と語る。同メーカーのアクリルフィギュアは他メーカーより価格は高めになっているが、1500円前後で装飾された台座や小物パーツが付属しているのが魅力となっている。高いとはいっても、1万円を超えるものが多いPVC製のフィギュアを揃えるよりは手軽だ。
また、ソフビもある意味低価格戦略ともいえる。ソフビは中が空洞なため、PVCより大型にしても値段が安く抑えられる。XPLUS TOYS(エクスプラストイズ)や海洋堂などでは、さらに、年齢層が高めの男性の需要を狙い、ゴジラや仮面ライダー、ウルトラマンなど有名特撮のキャラ商品を発表していた。
さらに、通常のフィギュアでは逆に、付属パーツを増やしたり、スケールを大型にするなど、プレミアム感を出そうとする動きが大きくなっている。グッドスマイルカンパニーでは、『艦隊これくしょん -艦これ-』のキャラ・島風を使った「合金島風」という商品をアピール。同商品はアクションフィギュアの一部に合金パーツを使用した商品で、通常のアクションフィギュアとは違う質感と、追加装甲モードにできるのが特徴だという。(斎藤雅道)