しかし、気になる安室奈美恵はというと、“現段階では”出場はなし。NHKの矢島良制作統括は「出演のお願いはさせて頂いております」としているが、いまだ、いい返事はもらっていない様子だ。しかし、「出演して頂けるか、頂けないか、結論が出るまでは最後まで粘り強くお願いしていく」と語り、今後も交渉を続けていく方針。
紅白における期限ギリギリの交渉といえば、昨年末解散したSMAPへのオファーが記憶に新しい。彼らの場合、事務所に残る者と残らない者がグループ内にいる、半ば仲間割れのような状態であったため、NHKの交渉力というよりは、その力がジャニーズ事務所の力に及ばなかったというのが正しいだろう。
しかし、安室の場合は違う。妊娠・結婚を発表した97年、第48回の紅白ではNHK側の忖度もあってか、20歳の若さで紅組のトリを務めた。そして、その産休明け、翌98年には、同じく紅白で復帰を果たし、まさに紅白は安室にとって人生の節目をともにしたとも言えよう。ここまでお膳立てしてくれたNHKに少なからず“恩”も感じているはずだ。
だが一方で、安室はテレビで歌うことより、ライブで生歌を披露することに重きを置くタイプ。このスタンスで今の地位まで昇り詰めた。ファンを大切にしたいという意味でも、紅白出場が安室にとって必ずしもベストだとは限らない。
同局で行われた出場者発表の場で、NHK側が思わず本音を漏らすシーンもあった。会見の終盤、矢島氏が「テレビの前の皆さんの気持ちを高められるような紅白にしていきたいと思います」と〆の言葉を発すると、そこにいた記者から「それには安室さんしかいないのでは」と鋭い質問が。思わず矢島氏は「ねぇ…」と漏らしていた。