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無職の男が希少価値高いクワガタの昆虫標本を大学キャンパス内から盗み、ネットオークションに出品

 警視庁府中署は東京農工大(東京都府中市)のキャンパス内に忍び込み、サークルの部室から希少価値のあるアマミマルバネクワガタなどの昆虫標本を盗んだとして、2月5日までに、窃盗容疑で、無職の男(25=東京都小金井市貫井南町)を逮捕した。

 男は容疑を認めており、「前にも学校荒らしをしたことがあり、悪い癖が出てしまった」などと供述している。男は金目の物を狙って、キャンパス内に侵入したところ、たまたまクワガタの標本が目に入って盗んだとみられる。

 逮捕容疑は、1月13日午前2時頃、東京農工大のキャンパスに侵入し、「昆虫研究会」の部室から、22歳の男子学生が保管していたアマミマルバネクワガタなど、クワガタの標本8点(時価17万円相当)を盗んだとしている。

 男は盗んだ後、インターネットオークションに標本4体を出品。男子学生の友人が良く似た標本が出されているのに気付き、17万円で落札して、同署に被害届を提出。専門家に依頼して調べたところ、盗まれた標本と分かり、発送元の住所などから男を特定した。男の自宅からは他の標本4体も見つかった。

 環境省などによると、アマミマルバネクワガタは鹿児島県の奄美大島などに生息。希少価値があり、国の絶滅危惧種に指定され、同県奄美市などが罰則付きの保護条例をつくり、採掘を禁じており、抑止と監視を強化している。

 しかし、収集家の間では、その標本が高値で取引されるため、希少動植物の盗採掘の被害が後を絶たないという。
(蔵元英二)

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