男は容疑を認めており、「前にも学校荒らしをしたことがあり、悪い癖が出てしまった」などと供述している。男は金目の物を狙って、キャンパス内に侵入したところ、たまたまクワガタの標本が目に入って盗んだとみられる。
逮捕容疑は、1月13日午前2時頃、東京農工大のキャンパスに侵入し、「昆虫研究会」の部室から、22歳の男子学生が保管していたアマミマルバネクワガタなど、クワガタの標本8点(時価17万円相当)を盗んだとしている。
男は盗んだ後、インターネットオークションに標本4体を出品。男子学生の友人が良く似た標本が出されているのに気付き、17万円で落札して、同署に被害届を提出。専門家に依頼して調べたところ、盗まれた標本と分かり、発送元の住所などから男を特定した。男の自宅からは他の標本4体も見つかった。
環境省などによると、アマミマルバネクワガタは鹿児島県の奄美大島などに生息。希少価値があり、国の絶滅危惧種に指定され、同県奄美市などが罰則付きの保護条例をつくり、採掘を禁じており、抑止と監視を強化している。
しかし、収集家の間では、その標本が高値で取引されるため、希少動植物の盗採掘の被害が後を絶たないという。
(蔵元英二)