その後、球団側は「捜査、警察の方にお任せしているという状態」と答えるに止め、捜査結果を受けてから山口への正式な処分を決めようとしている。
「球団も事態を重く捉えています。不起訴、起訴猶予となった場合でも、球団として独自の重い処分を科す方向です」(ベテラン記者)
その「独自処分」だが、メディア関係者の多くは「年内謹慎、でもさすがにクビはないだろう」と予想していた。しかし、それだけでは済まないようだ。
「関連企業、スポンサーから重い処分を望む声も寄せられています。重い処分を科すとは言っても、具体的な内容は何も決まっていないようです」(前出・同)
2015年に発覚した『野球賭博事件』も思い出される。球団は不祥事再発の防止にも努めてきただけに“制裁トレード”を予想する声も聞かれたが、山口は昨年オフ、4年総額8億円(推定)で獲得した“高給取り”である。契約の見直し、本人の猛省があったとしても、他球団も手を出しにくいだろう。
「いや、巨人で再起を目指すのはもっと辛いでしょう。DeNA時代からネット上で非難を浴びると、シュンとなってしまうところがあり、移籍していきなり右肩痛を起こし、情緒不安定になっていましたから」
プロ野球解説者の一人がそう語っていた。
そんな山口をかわいがってきたのは、ベイスターズ時代からの先輩である相川亮二。事件が明るみに出る前の同15日、2人は食事に出掛けている。その相川が再起を手助けするものと思われるが、本人が退団を申し出ることになれば、球団も引き止めないだろう。
その自主退団説の様相が濃くなってきた。
「昨年オフ、山口がFA宣言したとき、アドバイザー役を買って出たとされる人物がいるんです。山口が好条件で移籍できたのは、その人物のおかげ」(球界関係者)
当時の報道を見直してみると、巨人が獲得に名乗りを挙げたとき、「3年6億円」となっていた。中日も山口に興味を示すと、「5年契約」「総額8億円」と高騰し、一部メディアは「5年10億円で中日が交渉へ」とも伝えていた。“中日参戦”を受けて巨人が条件を見直したわけだが、この高騰劇を仕掛けたのが、アドバイザー役を買って出た人物とされている。その人物はスポーツマネジメント会社でも経験を積んでおり、米球界につながるルートも持っているという。
「ベイスターズ時代、山口はメジャーリーグ挑戦について聞かれると、『チャンスがあれば』という言い方でした。海外にいけば、批判や好奇の目にさらされることはなくなります」(前出・ベテラン記者)
たしかに、メジャーリーグには、警察のご厄介になった選手もいる。薬物中毒から立ち直った選手もいる。メジャーに興味があると発言した後、調査に乗り出したメジャースカウトもいたという。ビザが下りればだが、メジャーリーグは山口を受け入れるはずだ。
「メジャースカウトが一目置いているのは、山口のフォークボールです。右肩痛もありましたので、現在の評価は高くないと思いますが…。本人にその気があると分かれば、再調査に乗り出す米球団も出てきそう」(米国人ライター)
安い年俸額でマイナー契約し、通用したら儲け物という解釈もあるかもしれない。ファンと球団に謝罪し、失った信用を取り戻すべきだが、巨人にはチャンスに飢えた中堅、若手投手がゴロゴロいる。残留となれば、周囲の予想をうわまわる厳しい処分を科されることになりそうだ。