主演は、昨年のNHK大河ドラマ「平清盛」に出演して人気急上昇の松田翔太。同ドラマは瀬戸内海の無医島を巡る病院船の医師や看護師たちの物語を、訪れる島々にまつわるエピソードとともに描く内容で、松田が医師役、武井が看護師役を務める。
武井は昨年4月期の「Wの悲劇」(テレビ朝日系列=平均視聴率9.1%=以下、数字はすべて関東地区)、7月期の「息もできない夏」(フジテレビ系列=平均視聴率9.8%)、10月期の「東京全力少女」(日本テレビ系列=平均視聴率7.4%)と3クール連続で、ゴールデン、プライム帯の連続ドラマの主役を務めたものの、すべて平均視聴率で1ケタ台を記録し、“視聴率を獲れない女優”のありがたくないレッテルを張られてしまった。
今年4月期には、テレビ朝日系列の深夜ドラマ「お天気姉さん」で主演。全9話の平均視聴率は9.8%と、深夜帯にしては、まずまずの健闘ぶりを見せていた。
フジの月9枠といえば、いうまでもなく、同局の看板ドラマ枠。前クールの「ガリレオ」第2シリーズ(福山雅治主演)は、全11話の平均で19.9%の高い視聴率を示している。
それだけに、さぞや武井のプレッシャーは相当なものがあるのかと思いきや、意外にも悲壮感はないといのだ。
というのも、現在放送中の「SUMMER NUDE」(山下智久主演)が極めて低調なため。同ドラマには、香里奈、戸田恵梨香、長澤まさみ、高橋克典といった、そうそうたる共演者が揃っているのだが、最高は初回(7月8日)の17.4%。第2話からは急降下し、第9話(9月2日)の視聴率は12.6%で、ここまでの平均は12.8%止まり。前作の数字が悪かったとなると、次クールでヒロインを務める武井も気が楽というものだ。
さらには、同じ事務所で、なにかと比較されることも多い剛力彩芽が、同枠で今年1月期に「ビブリア古書堂の事件手帖」で主演したが、これも、全11話の平均視聴率が11.4%と低調だったのも、武井の悲壮感をなくす要因にもなっている。
テレビライターのA氏は「フジの月9だからといっても、数字が悪いドラマもありますし、放送中の『SUMMER NUDE』が低視聴率なだけに、武井も気楽に臨めるでしょう。ましてや、今回、武井は主演ではなく、あくまでヒロインですから、数字が獲れなければ、責任は主演の松田に、なすりつければいいってことにもなります」と語る。
果たして、武井ヒロインの新ドラマ「海の上の診療所」は、どれほどの視聴率を獲ることができるのだろうか?
(坂本太郎)