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℃-ute解散 ファンへ最高の恩返し…最後の最後で1位獲得なるか!?

 ハロー!プロジェクトの最年長グループ、℃-uteが来年6月の解散を発表した。グループ結成から11年間、ハロプロの歩みを見続け、屋台骨を支えてきた℃-uteの解散は、老舗アイドル集団に、そしてアイドル業界全体にどのような影響を与えるのだろうか。

 8月20日、ハロー!プロジェクトの公式ホームページ、ならびに全国ツアー中のハロプロコンサートのステージ上にて、℃-uteの解散が発表された。突然の重大ニュースに、ファンのみならず、同じアイドル業界からも驚きの声があふれた。
 現在、アイドルとして活躍する者たちには、子供の頃にモーニング娘。やBerryz工房、そして℃-uteを見て、この世界に憧れを抱いたメンバーが多い。また、卒業や解散によって日々新陳代謝が繰り返されるなかで、℃-uteはアイドル業界全体の「最年長」的存在となり、彼女たちのパフォーマンスを目標としてきたアイドルも少なくない。まさしく℃-uteは、「アイドルが憧れるアイドル」だった。
 驚き、衝撃、悲しみを表す現役アイドルたちのツイートは、充分に理解できる。ただ、発表当日、中野サンプラザでメンバーから直接報せを聞いたファンの反応は少し違った。
 「やっぱり、そうなるか」
 「ついに、この日がきてしまった」
 落胆の色は、当然ある。しかし、「驚き」というよりも、すでに覚悟していたことを改めて突きつけられ、見ないふりをしてきた現実を思い出した…あの日、解散発表直後の空気は、そういったところなのかもしれない。

 2005年6月11日結成、2007年2月21日に『桜チラリ』でメジャーデビュー。以後、長く℃-uteは、モーニング娘。や先輩メンバーたちの「妹分」的な存在として活動してきた。
 2009年、年長メンバーの一斉卒業によるハロプロの組織改編を経て、℃-uteはハロプロの中核をなすグループに成長。そして2014年11月、モーニング娘。の道重さゆみ卒業によって、決定的に立ち位置が変わった。先輩メンバーは、ひとりもいない。ハロプロリーダーの座も、矢島舞美が道重から受け継ぎ、Berryz工房とともに文字通りの「最年長グループ」となった。

 新陳代謝と継承によって、ハロプロのトップに立った℃-ute。それに見合うだけの実力と評価も得ている。ただそれは、バトンを渡される立場から、バトンを渡す立場になったことも表していた。
 年2回催されるハロプロコンサートを見れば、それは如実に感じ取れた。十代はじめの中学生メンバーも増えていくなか、20〜24歳で構成される“ベテラン”のグループは、抜きん出たパフォーマンス力もあいまって、そのステージ上でいささかの違和感を見せるようになっていた。
 年齢的なものだけでなく、楽曲のせいもあるだろう。元プロデューサーで、ハロプロ所属グループのほとんどの楽曲を手がけてきたつんく♂の方針だったのか、ハロー!プロジェクトでは、曲の方向性によってグループの「棲み分け」を行う傾向がある。このグループはカワイイ系、このグループはカッコいい系…といったように、グループごとに“色”を打ち出していくことは、「似たような曲ばかりで飽きさせないようにする」「ユーザーの幅広い好みに対応する」、さらには「ハロプロ内でのファンの食い合いを防ぐ」など、いくつものメリットが考えられる。売り手側の理屈としては理解できる。ただ、ここに受け手側のニーズはあまり考慮されていない。運営によって舵を取られた方向が、ファン、特に既存ファンの好みや希望に合うとは限らないのだ。
 最年長グループであることに加え、近年、「卓越したパフォーマンス」を売りにしてきた℃-uteは、マイナー調で大人びた「アイドルらしくない」楽曲が割り振られるようになった。それがハロプロ内での℃-uteのポジションと、運営サイドは舵を取ったのだ。

 2時間近いコンサートにおいては、さまざまな曲があって然るべきだ。「強弱」や「変化」というものも必要だろう。しかし、本来、アイドルファンの音楽的好みは、それほど広くはない。マイナー調の楽曲を強弱ではなく、「谷間」と感じる者も少なくない。「全体における棲み分け」という観点から、「大人グループ」のポジションにあったかつてのBerryz工房や℃-uteは、いささか損な役回りを担わされたようにも思えた。

 楽曲の方向性という点では、同じハロプロのアンジュルムにも同じことが言える。ハロプロ内で増える後輩グループ、新規メンバーの加入、グループ名の改称などを受け、楽曲の色も大きく変化した。それによって新たにファンとなった者も多いが、古くから応援してきたファンからは、最近の楽曲への不満の声も聞こえてくる。

 アイドルファンのなかでも、ハロプロファンというのは、「楽曲」に対する思い入れが特に強い。特定のアイドルではなく、楽曲に惚れてファンになった者も珍しくない。そんななか、楽曲への不満はファン離れにも繋がりかねない。それも「新陳代謝」と言えなくもないが、メンバーはともかく、ファンを新陳代謝させたのでは、常にファンの総数は変わらず、大きな発展は望みづらい。
 運営の舵取りも納得できるし、ファンの反応も理解できる。ハロプロだけでなく、アイドル業界全体が抱える難題だ。

 来年6月、目標として掲げてきたさいたまスーパーアリーナ公演をもって、℃-uteは解散する。彼女たちがアイドルとして叶えていない目標や夢は、それほど多くはないだろう。そう思えるだけの実績を残し、多くの夢をファンに与えてきた。叶えていない目標を強いてあげるならば、やはり、これまでに一度もオリコンランキング1位を獲得していないという点だ。
 2017年6月の解散まで、あと何枚のシングルをリリースするかは不明だが、最後の最後で念願の1位を獲得することができれば、長年応援してきたファンへの最高の恩返しになるだろう。また、彼女たちの背中を見てきた後輩にとっても、なにより励みになる「夢見る力の継承」となるはずだ。

【リアルライブ・コラム連載「アイドル超理論」第41回】

*画像は℃-uteオフィシャルブログから
http://ameblo.jp/c-ute-official/

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