疑惑をもたれているのは、昨年の全日本選手権覇者で、9月にトルコ・イスタンブールで開催されたレスリング世界選手権に男子グレコローマンスタイル66キロ級日本代表として出場したA選手(23=警視庁=イニシアルではない)。A選手は世界選手権では3回戦で敗れて9位に終わったが、帰国後、「競技を続ける意欲がなくなった」として、日本レスリング協会に引退を届け出ており、連覇が懸かった全日本選手権(21日開幕)には出場していない。
疑惑の内容はA選手が世界選手権から帰国した後、女性のスカートの中を携帯電話で盗撮したとして、東京都迷惑防止条例違反の現行犯で逮捕されていたというもの。協会は21日、事実関係の調査に入ったが、高田裕司専務理事は「本人に連絡がつかない。事実なら処分も検討する」と話している。
これは9月19日に盗撮で逮捕された男性が、当時、警視庁警察学校学生の巡査で、A選手と同一人物の可能性があることから浮かび上がったもの。警視庁はこの男性を停職1カ月の懲戒処分とし、男性は辞職した。
現時点では断定はできぬが、もし同一人物であれば、日本スポーツ界にとっては由々しき問題。内柴氏の容疑に比べれば、軽微な犯罪ではあるが、日本を代表するスポーツマンがやるような行為ではない。現在、日本選手権の開催中であるが、1日も早い事実関係の解明が望まれるところ。
競技こそ違うとはいえ、内柴容疑者もA選手も同じ66キロ級。内柴容疑者の犯行は9月19日だったが、犯行日もほぼ同じ。もし、A選手の犯行だったとしたら、なんとも皮肉な偶然な話だ。
(落合一郎)