もちろん、並み居るGI馬のなかでも、昨年はGI3勝の女傑ダイワスカーレット率いる松田国師をして「向こうは決めるところをキッチリ決めているからね。天皇賞春秋連覇の実績は重い」と一目置かせる4冠馬メイショウサムソンに◎。
マツリダゴッホ同様にくすぶり続ける馬インフルエンザ騒動による厳しい検疫強化のため、ドバイ遠征断念を余儀なくされたが、「ずっとドバイへ行くつもりで、早くから調整していたからね。中山記念にでも使えたくらい」と高橋成師がキッパリいい切ったように、その分、攻め馬は質、量ともに万全。
加えて、「なんぼ攻め馬をやっても絞れんかった昨春とは違って、今はやるごとに見た目から違ってくる。馬の方がよく分かっているのか、体を自分でつくるし、むしろ、今回も目方は軽くなるかもしれん。大型馬にしては珍しいが、やっている方の人間にとっては脚元のケアだけをしていればいいだけなので、ホント、安心で楽」と“メタボ体質”から脱却すれば、昨暮れの有馬記念以来3カ月半、どの馬にもついてまわる年明け初戦という魔のエアポケットも心配は無用だ。
「昨夏は凱旋門賞を断念せざるを得なくなったのに、緩めることなく天皇賞で走ったことが最後の有馬記念で尾を引いた感じ。どこに行くにも常に検疫問題がついてまわる海外遠征は流動的で白紙状態だが、この2戦はキッチリいい状態にもっていけば、おのずと結果が出せると思っている」
59kg、始動レースなど、処々の悪条件を蹴散らし、王者メイショウサムソンが筋骨隆々の彫刻美で4冠馬の貫録の違いを見せつける。