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戦極 五味隆典が完全復活。戦極のエース襲名へ

 新総合格闘技イベント「戦極-SENGOKU-」が5日、東京・国立代々木競技場第一体育館で旗揚げ。“天下無双の火の玉ボーイ”五味隆典が宣言通りに大爆発した。メーンで吉田秀彦がジョシュ・バーネットに一本負けを喫する中、ドゥエイン・ラドウィックを1ラウンドTKOで沈め、しっかりと結果を残した五味。戦極のエースとして新たな伝説の扉を開いた。
 2007年2月に米ラスベガスで開催された「PRIDE33」以来、およそ1年1カ月ぶりにリングに帰ってきた五味。PRIDE消滅後、去就が注目された中で選択した戦極マットで進化した姿をまざまざと見せ付けた。
 入場テーマも一新し、再び連勝街道を築くべく心機一転、戦極マットに降り立った五味。PRIDE時代の73kgから修斗時代以来となる70kg級までシェイプアップして臨んだ一戦で、スピードも切れ味も増したパンチで勝利を奪ってみせた。
 立ち上がりに左フックを被弾し、一瞬ヒヤリとさせた五味だったが、右ストレートから返しの左フックをラドウィックにたたき込み、顔面を血で赤く染めた。鋭いパンチでラドウィックの鼻頭を切り裂いた五味。減量効果と「ジムの子のこととか考えずに、初心に帰って久々に自分のためだけに練習している」という戦前の言葉を象徴するように、PRIDEで10連勝を達成した全盛期の動きを取り戻し、1ラウンドわずか2分28秒、TKOで勝負を決めた。

 進化の跡を示した五味。PRIDE消滅によって闘いの場を奪われ、長期休養を余儀なくされたことで心身ともに成長を遂げた。リング上でマイクを握ると「自分が一生懸命練習するからこそ、叱咤激励してくれる人もいる。こうして期待してくれるファンもいる。これからも頑張ります」と語ると、感極まって声を詰まらせた。試合後も「充実した人生を送らないと」と笑顔。かつてPRIDEライト級の頂点を極め、“燃え尽き症候群”と揶揄(やゆ)された姿はどこにもなかった。
 今後については「リズム良くやっていきたい」と5月18日に有明コロシアムで開催される第2弾興行への参戦にも意欲を見せた五味。再び着火した闘志はもはや消えそうにない。五味が戦極のエースとして新たな伝説を築いていきそうだ。

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