翌日19日に生放送された情報番組やワイドショーは、通常の放送を取りやめ、震災に関する報道に切り替えた。
そんな中、フジテレビ系の情報番組『バイキング』の放送内容がネットで話題になっている。
この日の『バイキング』は芸能ニュースから始まり、オープニング後は大阪府吹田市の拳銃強奪殺人未遂事件、同じく吹田市の女子いじめ報告書問題など通常通りの内容を放送。震災に関する報道は全く放送されなかったのだ。
同じく裏番組の情報番組『ヒルナンデス』(日本テレビ系)では番組冒頭に地震の情報を伝え、注意喚起を行っており対照的な姿勢となった。
もっとも『バイキング』が自然災害を扱わないのは、今に始まったことではない。2018年6月の大阪府北部地震のほか、同年9月の北海道胆振東部地震など大きな自然災害が発生した際も、放送内容はほとんど変えず、体操女子のパワハラ問題など、いかにも『バイキング』らしい報道姿勢を貫く傾向がある。
この「自然災害は扱わない」というバイキングの「暗黙の了解」にネットでは「お昼時の視聴者が殺到する時間帯になぜ本当に知りたい情報を扱わないのか」「そんなにゴシップネタが大事なのか?」とブーイングを受けることがある。
『バイキング』がかたくなに地震情報を扱わないことには事情があるのではないか、とされている。とある芸能記者はこう分析する。
「バイキングはワイドショー番組ではありますが、ロケや現地中継などは基本行わず、スタジオ内だけで放送が完結する情報バラエティです。作家が考えた台本もしっかりある番組で、司会の坂上さんは俳優ということもあり、最初から予定のない企画を放送することは難しいのでしょう。あと速報性を大事する番組ということでしたら、バイキングの後に放送されている『グッディ!』がその役割を担っていますので、あえて『自然災害』を扱わないということですみ分けを図っているのではないかと思われます」(某芸能記者)
現に同日放送の『グッディ!』は通常の予定を全て切り上げて、2時間をまるまる震災情報に充てていた。「偏向報道」と批判を浴びることも多い『バイキング』だが、徹底した「役割分担」の末に判断しているのかもしれない。