問題となったのは、「0-1」と中日1点ビハインドの5回裏1死一塁でのこと。ヤクルト先発・小川泰弘は、送りバントの構えを見せる龍空に初球フォークを投じる。龍空はバットを出しながら一塁へ走り出そうとするも球を当てられず空振りとなったが、この時一走・木下は二塁を狙う意識が強すぎたのかベースから大きく飛び出していた。
これを見た捕手・中村悠平はすぐに一塁手・オスナへ送球し、木下も急いで頭から帰塁するも間に合わずタッチアウトに。この判定に対し、中日・立浪和義監督はベンチを出て審判団にリクエストを要求するも判定は覆らなかった。
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木下の牽制死について、ネット上には「今のアウトの取られ方は酷すぎる」、「焦って飛び出すような状況じゃないだろ」、「バントが転がらなかった場合のリスクを考えなかったのか」、「せっかくの出塁を自分で潰してどうする」といった呆れ声が寄せられた。
また、木下に対してはファンのみならず、ラジオ解説・山崎武司氏(元中日他)も「なんでこうなっちゃうのって僕はそう思う」、「いいスタートは切りたいですけど、そこまでギャンブル的なスタートを切らなくてもいい。それでアウトになるってことはよっぽど意識が無いってこと」と状況判断が全くできていないと苦言。
同氏はその後も「やれって言ってもなかなかできないようなミスを今ドラゴンズがしてるから最下位に(なってる)」、「こんなの注意力の次元の話なので、ちょっとこれはお粗末」などと木下への酷評を続けた。
今季の中日は石川昂弥が本塁突入の際に速度を緩めた結果、細川成也の三塁憤死よりタイミングが遅かったとして生還が認められず(5月18日/阪神戦)、ヒットの間に二塁へ進塁した村松開人がオーバーランでアウトになる(7月23日/広島戦)など軽率な走塁ミスが頻発している。
31日の木下は「0-5」と中日5点ビハインドの8回裏無死で迎えた打席で、この日チーム唯一の得点となる4号ソロをマーク。ファン・OBのひんしゅくを買った5回裏のボーンヘッドを何とか取り返したいと奮起して打席に臨んでいた可能性もゼロでは無さそうだ。
文 / 柴田雅人