8月23日に夕刊紙『夕刊フジ』(産経新聞社)が報じたところによると、立浪監督は調子を落としていた細川成也にご飯の量を減らさせたところ復調したことを理由に、同月3日から球場食堂での白米提供を禁止。これに守護神・マルティネスが異議を唱えたことから投手陣への提供は1日で復活したというが、野手陣は今も禁止状態が継続。“令和の米騒動”と現状を揶揄する選手もいるという。
体が資本のプロ野球選手が立浪監督の一存で食事を制限されていること、白米を禁止した3日~24日までは「5勝11敗1分」と負け越していることなどから、ネット上には「全員一律で制限って馬鹿じゃないのか」、「適切なエネルギー補給ができないならそりゃ力出ないだろ」といった批判が上がっている。また、中日球団側に改善に動くことを求める意見も散見されるが、その球団も選手に満足な食事を提供しなかったとして過去に騒動となっている。
>>中日・立浪監督に「当事者意識ゼロ」怒りの声も 低迷責任を選手に丸投げ?“米騒動”めぐる批判も相次ぐ<<
騒動が起こったのは2012年11月6~19日にかけ、沖縄・北谷で行われた秋季キャンプでのこと。同年の中日は高木守道監督(当時)が新たに就任したが、シーズンは2位に終わりリーグ3連覇を逃した上、CSではファイナルステージで1位・巨人に3連勝から4連敗を喫し敗退。翌シーズンのリベンジを期し、高木監督は若手を鍛え上げようと意気揚々とキャンプインした。
猛練習を乗り越えレベルアップを果たすためには、練習の合間にとる昼食も大事な要素となる。ところが、当時の報道によると球団は経費削減を理由に、初日は1300円ほどの幕の内弁当しか用意せず。お腹が満たされなかった選手たちは増量を希望するも、球団は2日目は天ぷら、3日目はステーキと揚げ物が中心と、内容は異なるものの初日と同じく弁当を提供。油のキツさからか喉を通らなかった選手も相次いだという。
これを受けた高木監督は「これじゃ選手がかわいそうだ」と問題視し、球団に即刻改善を要望。すると、球団側はあっさりとこれを認め、4日目からホテルのケータリングが手配されることになった。
「こんだけ暑い中でやってるのに、弁当じゃ腹に入らんよ。すぐ力が出るのはおにぎりとか炭水化物。うどんとかラーメンとか汁物もほしいだろ。今、屋台のラーメン屋さんが来りゃ、選手が20~30食買うわ。麺類も付けろ」という高木監督の主張が通った形だが、当時のファンの間では「メシ出せるなら初日から出せよバカタレが」、「監督に言われてすぐ変更するぐらいなら最初からやるな」などと球団批判が相次いだ。ただ、翌2013年の中日はシーズン4位に沈み、高木監督は同年限りで退任している。
中日は2019~2021年にかけチームを率いた与田剛監督も、在任時はケータリングでのラーメン提供を禁止していたというが、この間の順位は5位、3位、5位とそこまでいいわけではない。過去の指揮官たちに続いて、立浪監督も“食べ物の恨み”に見舞われることになるのだろうか。
文 / 柴田雅人