7月5日、千葉ロッテの佐々木朗希は埼玉西武戦に先発登板し、8回5安打無失点で今季6勝目を挙げた。今季最長となる8イニングを投げ抜き、11個の三振を奪うなど圧巻のピッチングを展開した。また、この日のゲームで両リーグ最速でシーズン100奪三振をマーク、規定投球回にも達し、防御率1.50でリーグトップに躍り出ている。
今季11度目の先発だった、この本拠地での西武戦。立ち上がりで2人ランナーを出すなど、予想外のスタートとなったものの、その後は3者連続空振り三振で切り抜けるなど、序盤から熱を帯びた投球を繰り広げている。試合を通じ106球を投じたものの、球速は最終盤まで160km超えが記録されていた。
プロ4年目の今季、初登板となった4月6日の日本ハム戦から3連勝、その後も現在まで順調に白星を重ねてきている。この間、自責点0でマウンド降りた登板も6度と、安定感も増す一方だ。また、WBCにも出場したことも踏まえると、プロ入り時より懸念されていたフィジカル、スタミナ面も今季はさらに強化されている印象が強い。
これまで、登板日の調整や、投球回、球数の管理などが徹底されてきたことなどで、起用法に対し疑問の声なども挙がってきた。それでも、今シーズンはほぼ半分の登板で3ケタの球数を投げていることからも、ロッテ先発陣の中心として十分なパフォーマンスを見せている。
ポテンシャルの高さは、もはや日本球界のみならず、海の向こうからも評価されていることからも、チームを上位に押し上げる原動力となることはもちろん、個人タイトル獲得など目に見える結果が求められるシーズンであることは間違いない。その一方で、現在の6つの勝ち星のうち、5勝がホーム、ZOZOマリンスタジアムで挙げており、敵地での5度の登板では1勝2敗、防御率も2点台後半と、やや見劣りする数字となっている。
侍ジャパンでは世界一にも貢献し、今後も球界を代表する存在としての活躍をプロ野球ファンの誰もが望んでいる。シチュエーションに関わらず、相手をねじ伏せるピッチングを今後、シーズンの後半でも常に続けて行くことができるか。21歳の右腕にはエースとしての期待が懸けられ、常に数えきれないほどの視線が注がれている。(佐藤文孝)