母を亡くした山井典子さん(仮名・30歳)は、母の愛人であり一時は父親と思っていた男性Sから引き続き、援助の申し出を受け大変、困惑していたという。
「いくらお金に困っているとは言え、母の愛人だった男性に抱かれることを、簡単に承諾なんてできませんよね。ところが、彼は慌てたように“君のお母さんとのような関係ではなく、娘として援助をしたいんだ”と言われたんです。そうは言っても当時、彼は60代で母という愛人を長年囲っていた実績があります。その内、手を出されるのではと、半信半疑に思いながらも、背に腹は代えられず承諾しました」
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その後は約束通り、大学の費用を出し続けてくれたS。いつ、体の関係を迫って来るかとビクビクしていたが、一度もそんな素振りは無かったという。それどころか、生活費が足りなくないか、いつも典子さんを気に掛けてくれていたとのことだ。
「大学卒業間近に、Sに対して申し訳なさもあって“私のこと、抱いても良いよ”と裸で迫ったことがあったんですが、“そんなつもりはない”と拒否されてしまいました。Sと奥さんには子どもができなかったそうなので、親子のような関係に憧れていたのかも知れませんね。真相は分かりませんが…。大学卒業後は、無事に就職もできたので彼のお世話にはもうなっていません。結局、一度も性的な関係を迫られることはありませんでした。今は、私も結婚して子どももいますが、たまにメールで近況報告をしています。Sには父親…のような家族の情はありませんが、知人や恩人という関係もしっくり来ない、不思議な感情を持っています」
状況的には「波瀾万丈」「修羅場」という言葉が相応しいが、実際には典子さんは彼のお陰で穏やかに暮らせたという。人と人との繋がりは実に複雑だ。