映画業界、特に監督の世界では鬼演出で知られる人物が少なくない。その代表格が井筒和幸氏だろう。
1991年には監督を務めていた『東方見聞録』の撮影現場で死亡事故が起きている。滝つぼに落ちるシーンの撮影に、約8キロのよろいを着用し挑んだ当時21歳のエキストラの男性が、増水していた水の流れに巻き込まれて死亡。監督の井筒氏と助監督が書類送検されている。さらに映画の公開は中止され、ビデオのみ販売となっている。
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さらに1986年公開の映画『犬死にせしもの』では映画初出演となる歌手の今井美樹に対し、船上から海に放尿させ、キスシーンを何十回もやり直させるなど、今ならセクハラとも取られかねない演出も行っていたとされる。井筒氏はこのエピソードを2020年『日刊ゲンダイDIGITAL』のコラムで記し物議を醸した。
このほか井筒氏の監督作として知名度が高いのがナインティナイン主演で、1996年に公開された『岸和田少年愚連隊』だろう。この作品ではヒロインを務めた大河内奈々子を井筒氏がかなり追い詰めていたと、ナイナイの2人に『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送系)で暴露されている。
井筒氏は『虎の門』(テレビ朝日系)での辛辣な映画評論でも知られた。それだけ映画愛が強い人物ではあるのだろうが、今ならば行き過ぎと批判されても仕方がないのかもしれない。