松本扮するKenと、浜田雅功扮するShoが芸者の格好をしてラップパフォーマンスを披露するものだった。
このユニットが生まれるきっかけは松本の冗談だった。坂本さんが『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)のトーク観覧に訪れた。その後、松本が「世界の坂本プロデュースで全米デビューを果たす」と冗談を言い放った。ニューヨークまで来るという条件で坂本さんはオファーを受けて、到着日にレコーディング、翌日にライブを行う強行スケジュールをこなした。
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ダウンタウンの漫才をモチーフにしたデビューシングルの『Grandma Is Still Alive』はオリコン最高15位だったが、アルバム『THE GEISHA GIRLS SHOW:炎の おっさんアワー』は1位を記録するスマッシュヒット。このアルバムには小室哲哉も作曲で参加しており、のちに浜田と小室が組んだH Jungle with tの布石となったとも言えそうだ。
ゲイシャ・ガールズは1995年の『NHK紅白歌合戦』にも出場している。といっても歌ではない。浜田がH Jungle with tとして『WOW WAR TONIGHT 〜時には起こせよムーヴメント』で出場。松本が芸者の格好で現れ、浜田にカツラをかぶせようとする動きを見せ話題となった。
90年代は良好に見えるダウンタウンと坂本さんの関係であるが、その後は疎遠になる。作家の天童荒太氏との対談では、最近のダウンタウンの芸は年下の芸人をいたぶる「いじめ芸」であると批判している。初出は2000年の『週刊文春』(文藝春秋)だ。
坂本さんにとっては上昇期にあった90年代のダウンタウンは評価するが、いわゆる天下を取り権威となった2000年代以降は距離を置いたのかもしれない。