草なぎといえば、20年に上映された主演映画「ミッドナイトスワン」で、「第44回 日本アカデミー賞」の最優秀主演男優賞ほか多くの映画賞を受賞。2022年は、NHK大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほか)で演じた徳川慶喜役で、「ギャラクシー賞」のテレビ部門・個人賞を受賞。俳優の松尾諭の自伝をドラマ化した「拾われた男」(Disney+、NHK BSプレミアムほか)では、8月の「ギャラクシー賞」月間賞に選ばれている。
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「拾われた男」では、松尾の実兄の武志さんを演じた。撮影は日本と米国ミシガン州カラマズーで行われた。カラマズーには、1910年ごろから80年代までギター「Gibson」(ギブソン)の工場があった。草なぎは、大のギター愛好家。それを知って、撮休を利用して1人で足を運んでいる。
「高級ギターを複数所有していて、ソロでギター発表会というテイストのイベントも開いています。50年代に製作されたGibsonも持っていて、それは確実にカラマズーで作られたもの。“恩師”斉藤和義さんや奥田民生さん、田島貴男さんといった名だたるギタリストも所持しています」(音楽雑誌ライター)
ギターのルーツとなった場所が、たまたま撮影地の近所であったことに、運命を感じずにいられなかった。工場跡地は広い敷地の中にあり、現在は廃墟。中をのぞくとギターの型らしきものが無造作に置かれており、ほこりをかぶっていたという。跡地はすでに、ホテル建設が内定。斉藤も同所を訪れたことがある。
「跡地前で草なぎさんはギターを弾き、現地の人に動画を撮ってもらって、斉藤さんに送信したとか。ほんとは『歩いて帰ろう』(斉藤の曲)を弾きたかったそうですが、コードが分からなかった」(前出・(音楽雑誌ライター)
「罠の戦争」の撮影現場にもギターを持ち込んで、空き時間に音を奏でている。その音色に合わせて、ミュージカル経験が豊富な共演者の小澤征悦と宮澤エマが熱唱。舞台裏では戦争と無縁のようだ。
(伊藤由華)