昨年は打率.191、ホームラン4、得点圏打率.278で「今年は梶さん(梶谷隆幸)が抜けてチャンスだったのにつかみきれなかった。悔いしか残らないシーズンだった」と反省したが、神里和毅はワーストを更新してしまった。
昨年は「結果を残さないといけないという気持ちが強く、キャンプからうまくいかずに焦ってしまった1年だった」と反省。今年は「キャンプは良かったんですけど…」と語る。
スタートは良かったが「1年間通してできなかった。そこがこのような結果になってしまった。自分に自信があまりなかったので、結果が出ないとすぐに打ち方を変えたりしたことがあったので、1年間通して自分自身を信じることができなかった」と、自己肯定ができなかったと振り返った。
反省から取り組むのはメンタル面の強化。オフは約週1回の頻度で「メディテーションヨガ」を実践中。具体的には「メンタルを鍛えながらヨガで体の動きをしっかり出していければいい。自分自身集中して、ゾーンに入れやすくするヨガ」でレベルアップを図ると明かした。
ルーキーイヤーの2018年は、当時不動の1番センターだった桑原将志からスタメンを奪い、翌年は123試合出場で打率.279。20年は出場数を減らしたが、打率は3割を超え勝負強いバッティングが光った。
だがスター候補生も、気付けば来シーズンで29歳を迎える。今シーズンもタイガースの難攻不落のエース・青柳晃洋に対しフォアボール3を選び、打率3割ジャスト。今季唯一のホームラン、新人王に輝いた大勢からもあわやホームランの打球を横浜スタジアムで放つなど、随所で輝きを見せたが安定した成績は残せなかった。
「練習するしかない。しっかりとレギュラー取って、チームの優勝に貢献したいのが一番」と気を引き締めた神里和毅。同期ドラフトでは既に3人が球団を去った厳しい世界だけに、6年目シーズンは崖っぷちの覚悟で復活をもくろむ。
取材・文・写真 / 萩原孝弘