私の彼氏は昔ダサ男くんでした。どこで買ったの?というような服を身に着け、大学を歩き回っていました。それは大学内でも有名なほど…。ですが私は、彼が授業に遅刻してでも困っていたおばあさんを助けた話や、酔いつぶれた友人を朝まで介抱する姿を見て、彼の内面に惹かれたのです。だから告白し、彼とお付き合いを始めました。付き合ってからは、2人で洋服を買いに行ったり、雑誌で一緒に勉強したりして彼をおしゃれにしていきました。
>>彼女で人体実験をしようとした研修医の男~本当にあった怖い彼氏~<<
そしてなんと、彼は1年後には雑誌の読モをするまでになったのです。彼はもともと顔だちがはっきりしていましたし、背も高くすらっとしていたので、私はそこまで驚きませんでした。しかし、周りの衝撃はすごかったようです。「あのダサ男くんがモデルになってカッコ良くなった」という噂は瞬く間に学内に広まり、彼はチヤホヤされるようになりました。
私は彼の良さを知ってもらえて嬉しい気持ちになりました。しかし、一方で残念なこともあったのです。それは、彼が周りのファッションに疎い人たちを見下すようになったこと。デートをしていても、「あの服はないわ」「見てあの帽子。似合ってなさすぎ」など道行く人をけなしていました。彼がそういう言葉を口にする度に注意していましたが、彼は完全に調子に乗っており、改善する様子は見られませんでした。
そうするうちに、少しずつ彼への愛を失っていき、別れも考え始めるように…。決定的なことが起きたのは、それから間もなくです。その日、学内の喫煙所で彼を見かけ、話しかけようと近づきました。すると、私に気付かない彼の口からこんな言葉が出てきたのです。「彼女がダサくて一緒に歩くのが恥ずかしいわ」と。確かに私はオシャレではないけれど、彼のファッション好きへの道を作ったのは間違いなく私です。そんな彼女に対してあんなひどいことを言うなんて…と一気に愛が冷め切りました。
明日久しぶりに彼に合うので、別れを告げてきます。
写真・kohei yamamoto