円楽さんは1977年から現在まで『笑点』のレギュラーであり、同じくメンバーの桂歌丸さん(2018年没)との「罵倒合戦」は、笑点名物としてとても人気があった。
さて、そんな「罵倒合戦」だが、一度だけ「口撃」を仕掛けてきたはずの円楽さんが「笑いすぎて」答えられなかったハプニングがある。
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これは2013年3月10日に放送された第2354回での一幕だ。
春は引っ越しのシーズンという事で「隣に有名人が引っ越してきた」という設定で、メンバーが奥さん役、司会の歌丸さんが夫役になって会話するという問題であった。
終盤、円楽さんは「嬉しいわ。隣に越してきたの、落語の名人の桂歌丸師匠よ」と歌丸さんに振り、歌丸さんも(嬉しそうに)「本当?」と返した。
すると、円楽さんは「忌中って札が掛かってたわ」(忌中札=身内が亡くなった際に玄関に貼り出す札のこと)と返した。ここまでであれば、円楽さんお得意のブラックジョークの範疇なのだが、この回答には他のメンバーも大笑い。林家木久扇が「引っ越して死んじゃう人いないよね」と茶々を入れ始め、さらに三遊亭好楽が「死体が引っ越したのかよ」、三遊亭小遊三が「死にながら引っ越して来たんだよ」と妄想トークを繰り広げたのだ。
この会話が「ツボ」に入ってしまったのか、円楽さんは大口開けて大笑い。最終的に歌丸さんから全員座布団没収(通称:歌丸ジェノサイド)が行われると、「あ~面白かった」と笑いが止まず、その後番組が終わるまで笑いすぎてしまい、一問も答えられなかった。
普段はクールな円楽さんが、大口を開けて腹を抱えて笑っているリアクションから、あのやり取りはハプニング要素が強かったと思われる。
この回答は円楽さんの中でもお気に入りだったのか、他の媒体でも円楽さん本人が「神の回」と紹介するほどであり、末期の「罵倒合戦」を代表するやり取りになっている。
歌丸・円楽の罵倒合戦がもう見られないのは残念ではあるが、『笑点』の歴史はまだまだ続く。さらなる爆笑ネタを期待したい所だ。