「9月17日からの5試合でヒット11本を放ちました。27日の東北楽天戦から4番も任されています」(スポーツ紙記者)
29日時点でリーグ3位、トップとの差は僅か4厘だ。
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そんな若手野手の成長が後押しになったのか、原巨人が10月20日開催のドラフト会議で1位入札する選手名を“公表”した。今夏の甲子園大会でも活躍した高松商・浅野翔吾外野手である。
「走攻守3拍子揃った良い選手ですよ。28日のスカウト会議後に発表されました」(前出・同)
現時点で、1位指名を公表しているのは巨人だけだ。
そのスカウト会議後、大塚淳弘副代表はこんな話もしていた。
「今年は野手中心に…」
ウィークポイントはピッチャーのはずだが? 関係者などの話を総合すると、浅野外野手の抽選に外れた場合も「野手の指名になる」ようだ。「ピッチャーは指名しない」とは言っていないが、今年は例年に比べて投打ともに好選手が少ないという。下位での投手指名となれば、「3年以上を要する高校生」しか残っていないだろう。
「今季、8人の若手投手が『プロ初勝利』を挙げました。彼らの伸びしろに期待しているのでは?」(プロ野球解説者)
スカウト会議が行われていた頃、二軍球場では一軍投手たちが練習をしていた。注目は菅野智之。残り2試合、10月2日の最終戦での登板も予定されているが、今シーズンはここまで9勝7敗。15本も本塁打を食らっている。
「巨人がクライマックスシリーズ(以下=CS)に進出した場合、投手陣では菅野、戸郷翔征がカギを握ります。この2人が長いイニングを投げ、かつ勝利しなければ厳しいでしょう」(前出・同)
奇しくも、巨人の残り2試合はDeNA戦。DeNAは2位が確定している。「巨人、阪神、広島」の3位争いで勝ち上がったチームとCSファーストステージを戦うことになる。つまり、菅野はペナントレース最終戦、CSファーストステージと2度続けて、強力DeNA打線を抑え込まなければならないのだ。
「終盤戦で、ようやく本来のピッチングが見られるようになりましたが…。直球のキレ、威力を指して年齢的な衰えを指摘する声も聞かれます」(ベテラン記者)
その一軍練習中、菅野は山崎伊織、井上温大らに歩み寄り、アドバイスを送るシーンも見られた。
「菅野のアドバイスは分かりやすいと評判です」(前出・同)
即戦力投手の指名が見送られた一因として、巨人首脳陣の中に「菅野はまだやれる!」の思いもあったはず。しかし、終盤戦の結果次第ではドラフト戦略が変更されるかもしれない。
今季は外国人選手の守備難で、菅野も泣かされてきた。秋広は外野守備に磨きを掛けている。一軍昇格となれば、投手陣が足を引っ張られることもなくなると思うが。(スポーツライター・飯山満)