前日まで「7勝7敗」の豊昇龍はこの日、同じく「7勝7敗」の平幕・遠藤と対戦。この一番はお互いに今場所勝ち越しがかかるということもあり、多くのファンが“相星決戦”にふさわしい熱戦を期待していた。しかし、迎えた一番は豊昇龍が立ち合い右に変化。これで体勢を崩した遠藤を、右上手を引きつつ土俵下に押し倒すというあっけない結末となった。
取組の直後、朝青龍氏は自身の公式Twitterに「こんな取り口いいのか? 勝負から逃げる バカやろ」、「若いのに 恥ずかしい」、「今後いらそうな口考えるべき 何にがてっぺんなんだかんだ(原文ママ)」と立て続けに投稿。豊昇龍は叔父と同じ横綱になることが夢と入門当初から公言しており、今場所前にも「目標はてっぺん、それをめざして頑張る」と横綱を狙う意欲を口にしたことが伝えられている。朝青龍氏はこのコメントも持ち出し、立ち合い変化で星を拾った相撲を酷評した。
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この朝青龍氏の投稿を受け、ネット上にも「また豊昇龍が朝青龍から怒られてる」、「今日の変化は絶対文句言われるだろうなと思ってたら案の定だった」、「横綱の甥にふさわしい相撲取れって以前から言われてるわけだしキレられるのは当然」といった呆れ声が相次いだ。
「立ち合い変化は、決まれば相手の体勢を大きく崩し勝機を高めることができる奇襲の一つで、ルールで禁止されてはいない作戦です。しかし、角界では古くから相手に真っ向からぶつかる相撲を善しとする考えが一般的であること、成功・失敗にかかわらず早期決着であっけない相撲になることが多いことなどからあまり好まれていません。今回の豊昇龍は何としても勝ち越しで関脇の座を死守したいという思いから、批判覚悟で変化を選択したのでは。ただ、朝青龍氏は度々自身のTwitterにその日の取組について苦言を投稿したり、今年3月6日放送の『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)では『豊昇龍というたびに朝青龍がついてくるからね、しっかり(相撲)とらないといけないんですよ』と直接ゲキを飛ばしたりと、かねてから豊昇龍に対しては横綱の甥として恥ずかしくない相撲を求めています。立ち合い変化についても入門当初に『変化するな』と前もって注意したことが伝えられていますが、その教えに反する千秋楽の相撲に物申さずにはいられなかったようです」(相撲ライター)
新三役・新小結となった今年3月場所から4場所連続での勝ち越しとなった豊昇龍。数字上は安定し始めているが、内容面ではまだまだ課題山積のようだ。
文 / 柴田雅人
記事内の引用について
朝青龍氏の公式Twitterより
https://twitter.com/Asashoryu