9月4日の中日戦を落とした。2位DeNAも敗れたため、ゲーム差「7.0」は変わらないが、東京ヤクルトの8月以降の成績は同日まで13勝13敗1分。マジックナンバー再点灯までもう少し時間が掛かりそうである。
「村上(宗隆)次第ですね。各球団も色々と対策を講じているみたいですが、『ホームランさえ打たれなければ』という配球をするチームもあれば、完全に勝負を避けているところもあります。最近では、点差が離れている場面でしか勝負しないチームも出てきました」(プロ野球解説者)
その影響だろう。村上の打撃成績は「四球とホームラン」が目立つ日も多くなってきた。
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また、村上の脅威を語る上で、こんな“シン野球用語”も囁かれるようになった。トリプル100――。
打点125、得点100、四球102。「四球部門」のセ・リーグ2位が巨人・丸佳浩の70だから、いかに村上が“警戒”されているかが分かる。
打率、本塁打、打点はリーグトップ。「令和初の三冠王」かと期待されているが、「得点100」ももっと評価されてもいいのではないだろうか。こちらもリーグ2位は巨人・丸で73。打点はホームに返した走者の数、得点は走者としてホームインした回数のこと。ヤクルト全体での得点は535だから、村上一人がチームの約20パーセントを稼ぎ出している計算だ。
そんなケタ外れな主砲が得点好機で勝負をしてもらえないのだから、ヤクルトの勝率が落ちるのも当然だろう。
「クライマックスシリーズになったら、満塁でも敬遠されるなんて情報も飛び交っています。村上は得点好機や『最年少での50本塁打到達』など、記録の掛かった場面でも萎縮しないんです。メンタル的な強さは相当なもの」(球界関係者)
記録と言えば、「シーズン最多本塁打数60本」超えにも期待が掛かっている。
村上は4日の第3打席で51号を放った。121試合に出て51本だから、「2・37試合で1本」。ヤクルトは残り22試合なので、計算上では新記録達成の可能性はある。しかし、こんな指摘も聞かれた。
「走者を置いた場面では、フルスイングはせず、コンパクトにバットにボールを当てていくようになりました。相手ピッチャーにまともに勝負してもらえないためです」(前出・プロ野球解説者)
球団発表によれば、本拠地・神宮球場とトップスポンサー契約を結ぶオープンハウス社が、村上の56本塁打目以降の本塁打に対し、「上限1億円(税込)、都内の家」をプレゼントするという。神宮球場の主催ゲーム、バックスクリーン上の同社グループの看板および、右翼席の特設ホームランゾーン以外に飛び込んだものと制約はついたが、神宮球場では「あと9試合」が残されている。
「22日の中日戦、23日からの2位DeNAとの3連戦で…」
そんな期待の声も聞かれた。
2位DeNAとの3連戦では、リーグ優勝も掛かってきそうだ。61号で胴上げ、そんなドラマが見られるだろうか。(スポーツライター・飯山満)