シューメーカーは7回裏、外角に投じた変化球をボールと判定した球審に対し、両手を横に広げるジェスチャーを見せ抗議。さらに、直後の降板時にも球審の方を見ながら何かつぶやくなど不満をにじませ、ネット上には「怒るほどおかしい判定だったか?」、「なんか最近審判に反抗的な選手が多くないか?」といった疑問の声が相次いだ。
>>巨人戦、審判の判定に投手が両手を広げ猛抗議!「そんな怒るほどか?」異例の態度に疑問の声、当日は重い試合展開<<
今季の球界では先月から、審判の判定に反抗的な態度・言動を見せる選手が相次いでいる。6月2日の二軍・ソフトバンク対中日戦では、ソフトバンク・リチャードの言動が問題視された。
「4-1」とソフトバンク3点リードの5回表無死一塁。外角高めのフォークを見送りストライク判定を受けたリチャードは、一度打席を外し三塁側・自軍ベンチ方向を見るなど不満をにじませる。さらに、この際に何らかの侮辱発言をしたのか、直後に球審から退場を宣告された。
すると、これを聞いたリチャードは「は? エグいでしょ、エグいエグいエグいエグい」、「広すぎ(と言っただけ)」と退場宣告にも猛抗議。この反抗的な言動に、ファンの間からは「審判に刃向かって退場って何やってんだ」と苦言が相次いだ。
同月9日・ヤクルト対オリックス戦では、ヤクルト・山田哲人の態度が物議を醸した。「2-1」とヤクルト1点リードの8回表。打席の山田は10球粘った後、11球目のスプリットをハーフスイング。球審はバットが止まっていないと判断し山田は空振り三振となった。
この直後、山田は球審の方を振り向くと、左手を横に上げるジェスチャーを見せ判定に抗議。また、ベンチに下がる際も球審を厳しい表情でにらみつけるなど不満が収まらないようで、ネット上には「山田が判定にうなだれながらベンチに戻るのはよく見るけど、ガン飛ばすのは珍しくないか」などと驚きの声が上がった。
同月23日・巨人対DeNA戦では、審判の判定に対し巨人選手2名がそれぞれ不満をにじませ話題となった。「5-7」と巨人2点ビハインドの7回裏1死一、二塁。打席の坂本勇人がカウント「1-2」から見送った外角の際どい球を球審はストライクとコール。見逃し三振となった坂本は球審の方を振り向き「えっストライク!?」といったように口を動かした後、右手で口元をかきながらぶぜんとした表情でベンチに下がった。
また、このシーンでは二走・吉川尚輝もボールと思ったのか、ストライク判定の直後に両手で頭を抱えるジェスチャーを見せていたため、ネット上には「坂本もそうだけど、吉川のリアクションも印象的だった」という声も散見された。
野球規則では「審判員の判断に基づく裁定は最終のものである」として、選手や首脳陣は原則抗議してはならないと定められている。にもかかわらず、ここ最近は公然と抗議する選手が増えてきている状況だが、シューメーカーを含めた上記4ケースはいずれもリクエスト対象外のプレー(ボール・ストライクの判定、ハーフスイング)を巡るもの。リプレー映像で判定の是非を判断してもらうことができないという点も、選手の抗議が強くなっている一因である可能性もありそうだ。
ただ、どのような理由があろうと判定への抗議は原則として禁止行為に当たり、破った場合はリチャードのように退場となる可能性もある。NPBはMLBなどに比べると、判定への抗議は多少大目に見られているともされているが、抗議が悪影響を及ぼすリスクを減らすためにも、選手たちはなるべく不満を表に出さず冷静にプレーする必要もありそうだ。
文 / 柴田雅人