11月5日、アリゾナ州のアパッチ・シトグリーブス国有林で7人の作業員が伐採作業を終えて帰ろうとしていた時のこと。山道から30メートルほど入った先に、光を放ちながら浮かぶ直径4.5メートルほどの円盤を発見した。
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7人の労働者たちはトラックの中から遠巻きに見守っていたが、当時22歳のトラヴィス・ウォルトンは車を降りて近づいた。すると謎の円盤が揺れ始め、トラヴィスは逃げようとしたがUFOから放たれた光線が直撃し吹っ飛ばされてしまった。
あまりのことに、トラックで様子をうかがっていた仲間たちはその場から逃亡。しかし円盤が追いかけてくる様子もなかったので、現場に戻ると、その時にはUFOもトラヴィスも姿を消していたという。
その後、彼らは現場から20キロ南に位置するヒーバーの街で保安官に事情を説明。翌日から山狩りが行われたが、トラヴィスは見つからない。現場に居合わせた6人の証言はおおむね一致していたが、UFOの話を信じる人はおらず「全員が結託してトラヴィスを殺害したのではないか」と考えた警察は10日に彼らをポリグラフ(うそ発見機)検査にかけることにした。結果は動揺が激しく、結果が正確に出なかった一人を除いて全員が「うそをついていない」というものだったが、疑惑は拭えなかった。
だが、10日の深夜に事態は急変する。なんと彼が失踪した国有林から北に20キロ離れた電話ボックスから、衰弱したトラヴィスが電話をかけてきたのだ。保護されたトラヴィスによれば、「謎の光線に打たれてから、気がつくと宇宙船らしき場所で宇宙人と思われる小さな人型生物に囲まれていた」のだという。
「彼らは小さくて背が高く、毛がなく、とても大きな目をしていました。とてもぼやけていて、二重に見えることもありましたが、私の周りにこれらの形の輪郭が見えていました。最初は医者かと思ったのですが、視界がはっきりして彼らが普通の人間でないことが分かったとき、私は飛び起きて暴れてしまいました」と、トラヴィスは今年ロズウェルで開催されたUFOイベントで証言している。
トラヴィス・ウォルトン事件は7人もの人物が同じUFOを目撃し、1人がアブダクションされたという稀有な事件だが、50年近くたった現在も真相は明らかになっていない。でっち上げや薬物による幻覚だったのではないかという説も出ているが、いずれも決定打に乏しく完全に否定できない点が多いのだ。
前述のイベントで、トラヴィスは「自分に起こったことを受け入れてはいるが、自分を誘拐したものに対する恐怖はまだ抱いている」と語っている。彼の身に何が起きたのか、明らかになる日は来るのだろうか。
山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeでオカルト番組「アトラスラジオ」放送中
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Bloke 'abducted by aliens and experimented on by small hairless creatures'(The Daily Star)より
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