比較的早く戦線復帰できる野手やリリーバーと違い、スターターは調整に時間がかかることもあり、濱口は5月26日、石田は6月5日と長期間戦線離脱の憂き目に遭ってしまった。
そんな両左腕がここにきて調子が上向き、6月29日には石田がタイガース戦で5回1/3、8安打を浴びながらも2失点(自責1)でまとめることに成功し、うれしい今シーズン2勝目をゲット。お立ち台で「立ち上がりも失点し、なかなかうまくピッチングができない中でも勝つことができたことは、僕自身も次につながる。次はもっと長いイニングを投げられるように頑張りたい」と宣言。「こういう光景を見ると元気になります」と笑顔で喜びを表現した。
濱口も負けじと7月2日、首位独走中のスワローズ相手に8回途中まで無失点ピッチングを披露。「調子どうこうより全打者と勝負することを意識して臨みました。全体的に腕が振れ、戸柱(恭孝)さんともしっかりコミュニケーションが取れ、打者の読みを外せていた」と好投の要因を自己分析したが、結果的に同点打を許したことに「8回途中まで任せてもらった以上は無失点に抑えられるようにしたいです」とくちびるをかんだ。しかし課題の制球は安定し与四球1、奪三振7と、絶好調の燕打線相手をきりきり舞いさせるナイスピッチングだった。
石田は「コロナがあったからチームが一つになって強くなるのかなと逆に思います。プラスに考えないといけない」と逆境を力に変えると誓った。試練の時期を乗り越え、帰ってきた実績豊富な2人のサウスポーが、暑い夏場のローテーションを支えていく。
取材・文・写真 / 萩原孝弘