今シーズンの佐野はキャンプ中に脇腹を痛め離脱したが、開幕にはなんとか間に合わせるとシュアな打撃で打率は常に3割超えと好調をキープ。しかし5月5日のドラゴンズ戦で、一塁からホームまでを駆け抜けてホームインした際に椎間関節炎を発症し、翌日には登録抹消されてしまった。
しかし19日にファームで復帰し、2試合の調整を経て再び一軍に復帰。昨年苦しめられたスワローズの内野手をライト方向に極端に配置するシフトをものともせず、ライナー性の打球を続けて逆方向に放ってみせた。三浦大輔監督も「万全の状態で上がってきています。一軍での試合勘(の問題)もありましたけど、佐野だけあってしっかりとやってくれてます。しっかりとコースに逆らわずにバットが出てきている」とキャプテンの打撃を絶賛。「状態もどんどん上がってきているなと思って見ています」と、さらなる打棒爆発を予言した。復帰2日間のヒット量産もあり、打率はセ・リーグ3位の.331まで上昇させ、上を見るとチームメイトの牧秀悟と、ジャイアンツの吉川尚輝の2人だけとなり首位打者も視野に入ってきた。
昨年はリーグ戦の打率.301に対し、交流戦は.314と数字を上げ、得点圏打率も.353とチームの勝利に貢献。伝統的に苦手としていたパ・リーグ相手に健闘し、結果3位に引き上げる原動力になった。昨年はチーム唯一の全試合出場を果たし、2年連続3割をクリアしているヒットメーカー佐野恵太。キャプテンのバットがパ・リーグ粉砕の鍵となる。
取材・文・写真 / 萩原孝弘