日曜日のゲームでは、未だ勝ち星のない開幕投手・東克樹をマウンドへ送ったが3回4失点と結果が出せず「毎回走者を背負っての投球でコントロールも甘く、東らしさは出せなかった」と分析した三浦大輔監督は、試合後すぐに登録抹消を決意した。
開幕時のローテーションは、東克樹、大貫晋一、坂本裕哉、フェルナンド・ロメロ、濱口遥大、石田健大の6人で形成。しかし濱口と石田はコロナの影響で戦線離脱し、オープン戦好調だった坂本は雨とコロナで2回登板が流れ、その後は不慣れな中5日での登板も影響し、現在ファームで調整中。そして東の抹消によりローテーションはすっかり様変わりすることとなった。
それでも大貫は5連続クオリティスタートと“エース”の働きで、上茶谷大河は直近の試合以外は安定感を発揮。復帰した今永昇太と、ファームで調整中の濱口、石田の合流も迫ってきている。雨天中止や比較的ゆとりのある日程も味方し、ローテーション崩壊とまではならなかったことは不幸中の幸い。また三嶋一輝はファームで調整中だが、復活の田中健二朗、覚醒した伊勢大夢、入江大生や宮國椋丞、平田真吾などのブルペン陣の奮闘も見逃せないポイントだ。
攻撃面では右肘手術でタイラー・オースティンは開幕から不在。キャプテン・佐野恵太、ネフタリ・ソト、宮崎敏郎がけがと昨年の主軸が、入れ代わり立ち代わりとなる苦しい陣容。コロナで大量の離脱は野手陣でもあり、昨年しっかりと1番センターの座をつかんだ桑原将志は不調、経験豊富なキャッチャー・伊藤光もけがでファーム調整中など踏んだり蹴ったりの現状。
しかし牧秀悟は不動の4番ですっかりチームの顔となり、楠本泰史の躍進、戸柱恭孝、嶺井博希は攻守で存在感を見せ、ベテラン大和もほぼショートスタメンで踏ん張っている。代打の切り札として機能している藤田一也の存在も心強い。
昨年はコロナの影響とビザの関係で、オースティン、ソトの両外国人の不在だけで最下位独走となってしまったことを鑑みると、チーム力の底上げはできているとみる。まずは連敗を止め、借金を増やすことなく我慢できさえすれば、“反撃”のときは必ずやってくる。
取材・文・写真 / 萩原孝弘