関西をメインに活躍しているプロ野球解説者、阪神OBたちがペナントレース直前、こんなことを囁いていた。
「連敗などひどい負け方をしたら、どうやって、チームを建て直すのか? 矢野燿大監督の『今年限り発言』以降、阪神ナインは好奇の目に晒されてきました。矢野監督も求心力を失ってしまったのではないか、と」
そんな心配が「現実」になってしまった。
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開幕戦(25日)は7点リードからの逆転負け。2戦目以降は打線が沈黙し、2試合連続の完封負け。23イニング連続無得点である。
試合後の矢野監督は「終わったことは変えられない。今からをどうしていくか」と前向きに答えていたが…。
「このまま、低迷してしまう可能性も高いです」(在阪記者)
開幕投手の藤浪晋太郎、第2戦の先発を託された小川一平も好投したが報われなかった。
第3戦の先発・桐敷拓馬についても、こんな指摘が聞かれた。
「第2戦を落とした時点で、新人投手の初登板にチームの連敗ストップを託すことになるので、『ヘンなプレッシャーが掛からなければ?』と心配されていました。6回途中でのノックアウトでしたが、5回を投げ切った時点で、スコアは『0対1』。5回裏、その桐敷からの打順でした。矢野監督は代打を出しませんでした。続投が裏目に出てしまいました」(プロ野球解説者)
打線の爆発、逆転を信じ、新人投手に勝ち星をつけさせてやりたかったのだろう。
「矢野監督の采配ミス。開幕3連敗の敗因をそんな風に指摘する声も聞かれました」(前出・在阪記者)
しかし、本当にそうだろうか。その「矢野監督の温情」だが、桐敷が6回に痛打を浴び、スコアが「0対3」となった後、矢野監督がリリーバーとしてマウンドに送ったのは、齋藤友貴哉だ。開幕戦のリリーフ登板で大炎上し、チームの雰囲気を暗転させた“張本人”である。
齋藤は3者連続三振に斬ってみせ、名誉挽回はもちろん、矢野監督の期待に応えてみせた。他の指揮官だったら、齋藤投入はなかったはずだ。
「打線低迷が気掛かり。チーム浮上のカギは、4番の佐藤輝明が不振を脱出できるかどうかに掛かっています。得点好機で打席が回って来るのに、全然打てません。打撃好調だったオープン戦とはまるで別人」(前出・プロ野球解説者)
えげつない内角攻め、直球とフォークボールのコンビネーション。ヤクルトバッテリーは「オープン戦とペナントレース本番は違うんだゾ!」と言わんばかりだった。
開幕3連敗したシーズンは過去11回。うち5回が最下位に沈んでいる。矢野監督は第2節の広島3連戦(29日~)でも佐藤を4番で使ってくる。佐藤も“温情”に応えなければならない。(スポーツライター・飯山満)