報道によると、この日取材に応じた矢野監督は毎年恒例となっている、自身が選んだキャンプMVP選手について話した。投手ではプロ10年目・27歳の藤浪晋太郎を2年連続でキャンプMVPに選び、「ブルペンを見ていても自分の中で自信になっている。今年はこれで行くんだというのがしっかりありながら、高いところで安定が続いている。去年よりさらに今年いいところにつながっている」とここまでの調整を高く評価したという。
藤浪は今春キャンプではここまで怪我なく練習メニューをこなし、実戦でも対外試合3登板で防御率「1.13」と絶好調。28日の報道では、矢野監督からMVPに選ばれたことを受け「非常に有意義な時間を過ごせたと思いますし、いいキャンプ、いい調整ができた」と充実感をにじませたことも伝えられている。
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藤浪がキャンプMVPに選ばれたことを受け、ネット上には「確かに今キャンプの藤浪はMVPに値するだけの数字は残してる」、「昨日のヤクルト戦もいい投球(2回無失点・被安打1)してたし、矢野監督としても選出に迷いは無かったんじゃないか」と納得の声が挙がった。一方、「藤浪は去年キャンプMVPから低迷してるから特に期待が持てない」、「去年もこの時期は良かったな、その後期待を大きく裏切られたけど」といった冷ややかな見方を示すコメントも多数みられた。
昨春キャンプで矢野監督からキャンプMVPに選ばれた藤浪は、その後オープン戦でも防御率『2.77』と一定の結果を出したことから開幕投手に。しかし、迎えたシーズンは「21登板・3勝3敗4ホールド・防御率5.21」とほとんど活躍できなかった。キャンプ・OP戦は好調も開幕後は低迷した昨季の流れから、2年連続でキャンプMVP選出されたものの、それほど評価していないファンも少なからずいるようだ。
「球界では一般的に野手より投手の方がキャンプ練習・実戦での調整の仕上がりが早いとされています。また、実戦も最初は若手や一軍当落線上の中堅がスタメンに名を連ね、主力がオーダーに入るのはOP戦中盤~終盤の時期である傾向が強いため、このあたりの要素も昨季藤浪がキャンプMVPに選ばれ、かつ開幕後に苦戦を強いられた一因であると思われます。そのため、藤浪は今後の登板でどれだけシーズンを意識した配球、スタミナ配分をできるかが、昨季の二の舞を回避するためのカギになるのではないでしょうか」(野球ライター)
現状では開幕ローテ入りへ順調に歩みを進めている藤浪。昨季の苦い経験もバネに、今季はシーズンまで好調を維持することはできるだろうか。
文 / 柴田雅人