>>2022年はUFOのターニングポイントとなるか? 海外の専門家が言及<<
ともあれ、宇宙人の姿=タコやイカのような姿、というのはかなり昔から多くの人が抱いてきたイメージだ。だが、実際に「タコは他の惑星で進化した宇宙生物の可能性がある」という論文が雑誌に掲載されて注目を集めている。
この奇妙な説は、科学雑誌『Progress in Biophysics and Molecular Biology』に掲載された論文『Cambrian Explosion Cause of Terrestrial or Cosmic?』で発表されたものだ。
オーストラリアの分子免疫学者エドワード・J・スティール氏率いる研究チームは、タコやイカといった頭足類が、火山の噴火や隕石の衝突によって宇宙空間に吹き飛ばされ、一種の仮死状態に陥って何十億キロも移動した可能性があるとしている。これは「生命のもととなる物質や、単細胞生物が地球に接近した彗星によってもたらされた」というパンスペルミア説よりさらに飛躍したものだ。
実際、論文の大部分はパンスペルミア説に割かれており、地球に生息する「最強の耐性を持つ微生物」のクマムシを引き合いに出して「微生物ないしは該当する生命体が、太陽系の外から地球まで彗星などの天体によって運ばれる」ことについて述べている。クマムシは「乾眠」という特殊な状況になることで、他の生命体なら死んでしまうような環境でも生き延びることが判明している。
例えば致死量の放射線に耐えたり、数十年間も食べ物や水なしで過ごすことができると考えられる。クマムシは地球外の宇宙環境に耐えうる可能性が示されており、また「進化的な自然選択事象」と完全に一致するとスティール氏らは書いている。
それを踏まえて、タコやその近縁種について生物の進化の過程から考えてみると、なんと「ある種の前世」を示唆するような生物学的特徴を持っているという。タコの遺伝情報をさかのぼってみると、進化の歴史が「非常に一貫性がなく、混乱している」ため、地球外に起源がある可能性が存在するというのだ。そこから「冷凍保存されたイカやタコの卵が、数億年前に氷の塊で運ばれてきた可能性は否定できません」とのこと。
また、何らかの大規模な惑星災害が火星を襲い、現在のような平均気温の低い荒涼とした大地に変わる前に、生命が火星で進化していた可能性についても触れている。
だとすると、タコはやはり火星人、もとい、実は他の惑星で進化した宇宙生物である可能性が出てくるのだろうか?
なお、この研究は東フィンランド大学の医学研究者であるキース・ババーストック氏によって査読されており、この説を裏付ける証拠がもっとたくさん出てくる予定だとか。宇宙のどこかにタコ型生命体は存在したのか、今後の研究が気になるところだ。
山口敏太郎
作家、ライター。著書に「日本怪忌行」「モンスター・幻獣大百科」、テレビ出演「怪談グランプリ」「ビートたけしの超常現象Xファイル」「緊急検証シリーズ」など。
YouTubeにてオカルト番組「アトラスラジオ」放送中
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