米スポーツ専門サイト・ESPN(電子版)が、メジャーリーグ各球団の補強状況をまとめ、それを順位付けした(日本時間12月15日)。大谷翔平選手のいるエンゼルスは4位だった。30球団中4位、なかなかの健闘ぶりだが、そうではないらしいのだ。
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「エンゼルスは、『今オフの補強が重要だ』と各方面から指摘されています。米国では大谷が優勝を狙えるチームに移籍するとの情報がいまだ消えていません。彼を引き止めるためにも強いチームに変貌しなければなりません。そのためにも今オフは積極的に補強を進め、チームを強化しなければなりません」(米国人ライター)
エンゼルスの補強ポイントは、投手だ。メッツから先発タイプのノア・シンダーガード、救援左腕のアーロン・ループを獲得した。
「前レッズのマイケル・ローレンゼンも獲得しました。ローレンゼンは大谷ほどのスケールではありませんが、投手でありながら、外野手でスタメン出場した経験もあります。これからは大谷のように二刀流で頑張りたいとして、新天地を求めたんです。エンゼルスも彼の挑戦に理解を示しています」(前出・同)
しかし、その期待のシンダーガードとローレンゼンが不安視されていたのだ。
シンダーガードは昨年3月に右肘にメスを入れたため、今季の登板は2試合だけ。それも、ペナントレースの行方も見えてきた9月下旬から…。また、ローレンゼンに対しても、
「ギャンブルに近い」
と、先発投手としての力量が疑われていた。
ローレンゼンは身体能力が高く、レッズ在籍中は大きな期待も寄せられていた。しかし、先発のチャンスをもらっても、シーズンを通して安定した成績を残せず、“伸び悩んでいる”といった印象もファンに与えていた。
「シンダーガードが復活していたら、エンゼルスではエース的な存在となりますが」(メジャーリーグ解説者)
活躍の確証はない。ギャンブル。良く言えば、期待値で補強が進められたようだ。そう考えると、今季後半戦で実質的なエースだった大谷が「開幕戦からフル回転」となる可能性も高い。
大谷の古巣・日本ハムの関係者がこう続ける。
「帰国後はウエイトトレーニングをメインに練習を続けています。メジャーリーグの投手はオフの期間、ウエイトトレーニングに時間を割き、シーズン中は汗を流す程度しかやりません。オフに蓄積したパワーをシーズン中に放出するようなイメージです。大谷がウエイトトレーニングに時間を割いているところから察すると、『投手』を意識して練習しているのだと思います」
エンゼルスに在籍して4年が経過した。球団の台所事情も分かっているはずだ。実績十分、即戦力となる大型投手を獲得するとなれば、巨額な資金が必要となる。エンゼルスは財布の中身を確かめながら交渉する側の球団だ。大谷が例年以上に厳しいオフを送っているのは、チーム内で増していく自身の重責を強く感じたからではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)
※選手名のカタカナ表記は「メジャーリーグ選手名鑑2021年」(広済堂出版)を参考といたしました。