2021年ベイスターズのラストビッグイベント「ファンフェスティバル2021」が、晴天の横浜スタジアムで行われ、一年間応援してくれたファンに笑顔を届けた。
三輪車レースやピクトグラムでのジェスチャークイズ、卓球大会など様々なプログラムでファンを楽しませたが、中でもスタジアムを大きな笑いと驚きに包んだのは新人王候補の牧秀悟だった。
毎年恒例となっている「ハマコレ☆2021俺しか勝たん!冬のオシャレコーデ対決」のコーナーでは、田中健二朗、平田真吾のベテランコンビに山本祐大、森敬斗の若手、そしてディフェンディングチャンピオンの坂本裕哉にルーキー牧がエントリー。
おのおのがカジュアルな私服をお披露目したが、トリを務めた牧は人気漫画“スラムダンク”のキャラクター・海南大附属高校主将、牧紳一のコスプレを堂々と披露した。シーズン中の登場曲も「神奈川の牧」にちなみ、アニメで使われた「君が好きだと叫びたい」「世界が終るまでは…」をチョイスしていたが、ラストイベントでキメてみせた。
寒空の下、ヘアバンドにノースリーブ、ショートパンツのバスケットボールプレーヤースタイルでドヤ顔の牧は「海南の牧しか勝たんということです!」と一言。これにはベイスターズファンでもあるゲスト審査員の相川七瀬さんからも「寒いのに」と同情されていた。オシャレコーデの趣旨からは完全に外れたが、スタンドのファンの圧倒的な支持を集め見事に優勝を果たすと、出身地長野の県歌「信濃の国」の一小節をなぜか上半身を左右に振りながらかわいく歌い上げた。4月4日に初のお立ち台に上がった際も「長野から来ました牧秀悟です!」と自己紹介し、シーズン中には牧の縁で、出身の中野市が横浜スタジアムで特産品の直売コーナーを設けるなど、地元愛あふれる男の熱唱はスタンドを大爆笑に包んだ。
イベント冒頭でも初受賞となった10、11月「大樹生命月間MVP」の表彰式が行われ、ファンから祝福の拍手を浴びていた牧。過去にはひょっこりはんの齋藤俊介、エイリアンの井納翔一、プーさんの宮崎敏郎など、様々な選手がスポットでのコスプレで会場を沸かせたが、初冬の一日、スーパールーキーは最初から最後まで注目を浴び続けていた。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘