>>メダカに食べさせていたモノ~女がドン引く瞬間~<<
「私は学生時代、演劇部に所属していたこともあり、そのつながりで、ある舞台関係者の男性を紹介されました。男性から、“これから劇団を立ち上げるので手伝って欲しい”と誘われました。かなりバイタリティーのある人で、絶対に劇団をビッグにすると言うので、裏方として参加させてもらうことに。
すると、キャパ300人の劇場を、1週間押さえたと言うんです。小さい劇団の立ち上げにしては、かなりの冒険です。最初はみんなもヤル気だったんですが、役者に対して1人150枚ものチケットのノルマが課せられ、雲行きが怪しくなっていきました。そこで主宰は、不満を漏らす役者たちに、“それなら俺が全部売ってきてやる”と言い放ったんです」
主宰の男性は、そのまま稽古場から出て行ってしまったそう。そして、ほとんど稽古にも顔を出さなくなったんだとか。
「迎えた公演初日。客の入りは心配でしたが、たくさんの人が来てくれました。しかし、あまり見たことのない客層。派手なメイクを施した若い女性ばかり。どうやら、キャバ嬢のようでした。主宰は、キャバクラに通いまくり、そこでチケットを買ってもらっていたのです。
毎公演、客席の3分の2は派手なオネエちゃんたちでした。異様な光景でしたね。でも、取りあえずは最終日まで乗り切ることができました。
最後に打ち上げがあったんですが、なぜか主宰の姿がありませんでした。あとで聞いたのですが、キャバクラ代の出費が大きく、主宰は多額の借金を背負ってしまったそう。公演終了後、そのまま雲隠れしてしまったのでした」
無謀な挑戦をするのは、男らしくもあり、ロマンを感じる。だが、周りを巻き込むべきではない。
写真・Jeffrey Smith