>>日本ハム・斎藤佑樹の投球に「一軍復帰は絶対無理」呆れ声 致命的な欠陥を露呈? 球界OBも辛らつ指摘「どれも棒球」<<
今回の番組で金村氏は同日(現地時間3日)でシーズン全日程を終え、投手では「9勝2敗・防御率3.18」、打者では「.257・46本・100打点」といった数字を残したエンゼルス・大谷翔平の戦いぶりについてトーク。話の流れで、大谷がドラフト1位で日本ハムに入団した直後の2013年春季キャンプを視察した際の印象的なエピソードなども語った。
その中で、金村氏は当時プロ3年目・24歳だった斎藤と言葉を交わしたという話を明かす。金村氏によると、自身が視察した日は大谷の紅白戦登板が予定されており、キャンプ地は多くのファンでにぎわっていたとのこと。金村氏も大谷目当てでキャンプを視察していたが、「その時にサブグラウンドパッと見たら、なんとネットに寂しげに投げてる斎藤佑ちゃんが(いた)」と、喧騒をよそに練習に励む斎藤の姿が目についたという。
斎藤は2011年に6勝、2012年に5勝とそれなりに勝ち星を挙げ今後への期待も高まる中、12年オフに右肩関節唇損傷を負い、翌2013年のキャンプはプロ入り後初めて二軍スタートに。当時は塁間(27.431メートル)のキャッチボールも満足にできない日々が続いたとも伝えられていた。
故障を抱えながら練習に汗を流す斎藤の元へ足を運び、「佑ちゃん、頑張れよ」と激励したという金村氏。すると、斎藤は「あっ金村さん! ありがとうございます!」と明るく応対。その他の会話内容については触れなかったが、斎藤の振る舞いを見た金村氏は「もう涙しそうやった」と心にくるものがあったという。
「翔平が入ってきて、(沖縄・)国頭の本球場で紅白戦してたらあんだけいっぱい(観客が)入ってるのに、サブグラウンドで佑ちゃん見てる人はほとんど誰もいなかった」という金村氏。斎藤自身もドラ1・22歳で参加した2011年春季キャンプでは常に2000人前後の観客を引き連れるなど大注目を浴びていたというが、故障や大谷の存在で注目度が一変したことに寂しさを感じたと当時を振り返った。
その後も右肩の故障に苦しみ一軍の舞台からは遠ざかり、2020年10月には右ひじ靭帯断裂と別の故障も負ったことで引退決断に至った斎藤。金村氏は「もう130キロぐらいしか出えへんしなあ…」と、本調子を取り戻せないまま引退する斎藤の心中を察していた。
金村氏の発言を受け、ネット上には「2013年春だと故障直後の時期か、まともに投げられない中気丈に振る舞うのは悲壮感が凄いな」、「怪我の苦しみを顔に出さずに明るく話されると確かにいたたまれなくなるな」、「アイドル級の扱いから、たった2年でファンが集まらなくなったって考えるとプロの世界は残酷だなって思う」といった反応が寄せられている。
3日に二軍・DeNA戦で引退登板を行い、一軍でも17日・オリックス戦で引退登板・セレモニーが行われる予定となっている斎藤。約8年にわたる故障との戦いを終えた元ドラ1右腕は、果たして現役最後の舞台でどのような言葉を語るのだろうか。
文 / 柴田雅人